Part二・占いで決めた名前の結果

「おいカオル、これはなんだ」

「ご覧の通り漢字辞典ですよ。今からページを一気にめくっていくんで、好きなタイミングでストップって言ってくださいね」

これは…占いだろうか。

しかし占術師の助手だったカオルだ、とりあえず信じておこう。

[せーのっ、ハイッ」

バラバラとページがめくれていく。よし、あと2秒後に止めよう。1、2…。

「ストーップ」

「178ページですね、この中から好きな感じを数個選んでください」

好きな漢字、か。…試しに目を閉じて人差し指をページのどこかに置いてみる。

「水」

カオルが読み上げた。再度やってみる。

「野」

「流」

「佐」

…これはいけそうだ。案外良かったかもしれない。

「みずのるさ、はちょっと変ですね。並び順を変えましょう」

るのさみず。イマイチだ。

そして並び方を変えていた何度か目。

「さのすいる。…ぴったりですね」

佐野水流、本当にぴったりの名前だ。

「おう…すごい、決まった。それもいい名前が」

「では水流さん、僕はこれから外に出ます。一緒に行ってもらえませんか」

「なんで、あと体にまだ少しだけ痺れが…」

「むう、そうですか。では本日1回目の魔法を使いたいと思います。ご覚悟を」

「へ」

なんだろう、嫌な予感がする。

ニヤニヤと笑うカオルがなぜか怖いと感じた夜だった。

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