Part一・名付け親は

突然、冷たく濡れた布が額に乗せられた。

「おあっ」

目が覚めて妙な声が出る。

「やあ起きましたか。どうです僕の姿は。普通の子供でしょう」

「あ、うん。うん、そうだな」

思わずうんを二回言ってしまう。

誰かの姿は自分から見ればすっきりとした感じの男の子だろうか。

それはそうとも名前がわからない。

「お前…名はなんと」

「カタカナで書いてカオルです、貴方の名前は…そうですねえ、どうしますか」

そうだ、自分の名前。前はアレだったが今は…何にしよう。

「カオル、お前確か…占いできるよな」

「おや、前世の記憶が残っていたんですか」

「うっすらとな、決めてくれないか」

「了解です」

カオルはニヤリと笑ってそう言うと、何かを取りに部屋を立ち去った。

一方自分は、これから自分の名前が決まるということに緊張していたのだった。

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