エピローグ


 翌日、彼はやはりいないままだった。

 いくつかの年月が経ち、私は所用で彼が落ちてしまった駅を利用することになる。

 駅には、彼の要素がなにもなかった。

 彼はいま、家だろうか。それとも学校だろうか。それとも自殺防止協会の仕事にでも追われているのだろうか。

 電車に揺られながら、ふと。

 あの日の少年の姿と、目が合った。

 それはまさしく一瞬で、私は思わず、用のない駅で下車する。

 彼を探した。

 しかし彼はどこにもいなかった。

 昼間の白む空、月が浮かんでいる。








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P.S.誕生日おめでとう。 灰原標 @Yyouse

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