影……

著者：躯螺都幽冥牢（くらつ・ゆめろう）　様

　短編集です！

　何度か申し上げてきたとおり、短編集が私は大好きです。

　少ない文字数の中でいかに盛り上げ、いかに落とすか。

　話数もなかなか多いことですし、とっくり楽しませていただきましょう。

　作者さんはこの企画に何作か「実話怪談」を寄せてくれている方ですが、こちらは基本的にフィクション。B吸ホラー映画のような（褒めてます！）不条理と血しぶきと残虐描写あり、実話怪談のごとく背筋に嫌な汗が伝うものあり。少ない文字数に、様々な要素がみちっと詰まっております。

　実際に「この話はあの映画のオマージュかな？」と思う作品もいくつかありますので（違ったらごめんなさい！）、B級映画ファンの方は読んで損のない作品集かと。

　私のイチオシは「連絡」。

　吸血鬼だからです（断言）。

　違っていたらごめんなさいなのですが、宇宙から飛来した吸血生命体ってところで「ゴケミドロなのか？　遊星からの物体か？」とテンションＭＡＸでした。

　人間の生存に必要不可欠な水分。その姿を取る異形の吸血鬼。

　常時「新型」に飢えている吸血鬼マニアとしては、うれしい限りです。

　反対に「んんっ？」となったのは「品名」。

　よくわかりませんでした。

　そこまで気に入ってるなら、部屋着にしちゃえよ！

　ジェンダーとかその辺を扱った作品だったのかもしれません。吾輩は異性用デザインだろうが気に入ったらことごとく着るのでよくわかりませんでした（2回目）。

　いくら気に入っても女性ものを男性が着るのは心理的なハードルが高いかなとは思いますが……。部屋着なら大丈夫っしょ！　買っちゃえ！

　今回はこの辺で。

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