深淵聞耳百物語「取り憑かれた彼女」

深淵聞耳百物語「取り憑かれた彼女」

著者 三文士 様

作品url(https://kakuyomu.jp/works/1177354054883765084


 この、いかにもなタイトル。

 わくわくせずにはおれません。

 憑りつかれるといっても挙動は千差万別、彼女さんはいったいどんな「憑かれ方」をするのかと、わくわくしながらクリックしました。


 ほほう、結婚を悩んでいる。そんな時に彼女が憑かれたら破局しか見えませんね。雨降ってなんとやらのたとえはありますが、下世話なほうに興味津々の私です。最低。


 彼女の口から語られる、彼女のものではなさそうな記憶。手拍子と一緒にこぼれる歌は、聞いたこともない訛った歌声。

 かつがれているわけではなくて、本当の怪異と知ったとき、彼はいったいどんな心地だったでしょう。こっちまで血の気が引いてきてしまいそうです。


 また、2段構えとでも言いますか、終わったと思ったらまだあった系のギミックも搭載済み。

 実話怪談のポテンシャルを感じる逸品でした。

 ひょっとしてこれ、短編ムービーとかになったら映えるやつじゃ。彼女さん、よだれたらしちゃいますけど。


 幸いまだお付き合いしているとのことですので、怖くはあったけれどもハッピーエンド……なんでしょうか。

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