ねこぎらい

著者：寝る犬　様

　私は猫が好きですので、猫が嫌いな方の気持ちはよくわかりません。

　なのでその辺の好奇心からも、わくわくして読み始めました。

　ところが。

　ところが！

　すっかり罠にはめられてしまいました。

　神社に現れる巨大な黒猫。

　これさえ「ホラーだからな。そういうのもありか」で処理してしまった自分が恥ずかしいです。

　「逃げる私を弄ぶ」のあたりで「んっ？」と思い、その後の文章で確信は深まり、主人公の断末魔ではしてやられたと笑ってしまいました。

　良い叙述トリックでした。

　主人公の正体を知った後に読み返すと、初見と意味が違ってくる部分もあり、何度でもニヤニヤできてしまいます。

　読後感にホラー感はありませんでしたが、名作です。本当に猫嫌いの話だと思って読んだので、くやしい(笑)。いや、猫嫌いで間違いはないですね。それもまた、くやしい(笑)！

　ぜひ読んで悔しがってください。

　被害者が私だけでは恨めしすぎる。

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