6日目
6-1【だってみぃちゃん国王になるもんね!!】
☆???
「すっげぇよ!!みたか、おまえ!!」
「あぁ!興奮が冷めないな!あんな壮絶な死に方……いやぁ、佐々木……なんだっけ。忘れたけど、あいつはいい仕事をしてくれた!」
「おうよ!あの、さ……さ、とにかくあのなんとかのためにも!」
「いい作品つくらねぇとな!!」
◇◇◇◇◇
【新エリアにようこそ】
◇◇◇◇◇
☆ランサー
結論から言えば、作戦は成功だった。お互い手を繋いでいたからか、今度は離れることはなく共に同じ大地に立っていた。
しかしここはどこだろう。ペタペタとあたりを触ると、よくある壁の感触が伝わってきた。つまりここは建物の中か?
「これは、どうしようかね」
「とにかくここから出ましょう……魔法少女はもう。五人しかいませんから」
その言葉を聞き、ランサーは「そうだね」といい、下を向く。先ほどきたメールによれば、ブレイカー。そしてセイバーの二人が死んだという知らせが飛んできた。
結局。セイバーがサモナーとアーチャーをなぜ殺したかわからずじまい。好意的に捉えたら、ブレイカーに襲われて共倒れ。
だが、それは違うとバーグラーは否定する。彼女は少なくとも理由もなしに殺し合いになる人じゃない……と。
一度会話したことがあるらしい。その時、もし殺し合いに乗っていればもうこの場にバーグラーはいないのだ。
ランサーも食事会の時に、軽くだが会話したことはある。無駄に早口な喋り方をする変わった人だというのが会話で得た彼女の評価。
それだけだ。殺し合いに乗るような人じゃない。そう思うが、しかしもう真相は分からずじまい。
「あっ。ここから外に出られそうですよ」
バーグラーの声に反応し、おそらく窓のようなものだが、そこから身を乗り出して外に出ようとする。しかし、それは無理だった。
足を置く場所がない。なんなら、そこには何も広がってなくて、一言で言えばここはまるで。
「空の上……!?なんだいっここはまさか、天空城とでもいうのかい!?」
◇◇◇◇◇
☆ガンナー
「天空城エリア……だってねぇ?」
まるでファンタジー。と、笑うが魔法少女もファンタジーみたいなものだ。今更、気にするだけ無駄だということ。
隣をちらりと見ると、案の定。キャスターは年相応にはしゃいでいる。よく見ると小さな羽根が付いているがあれで飛べるわけではないらしい。
パタパタと元気に動いてはいるが……犬の尻尾のような物なら、今彼女はとても楽しんでいるのだろう。
しかしここは、どういう場所なのだろうか。見た限り、よく見るお城の中であり、今二人が歩いているのは所謂エントランスというところか?
階段があり、上がれば上に行けるのだろう。屋上には何があるのかわからないが特に目的がないならそこに行くべきかもしれない。
「おおっと」
乾いた銃声を放つ。それと共に黒い怪物が倒れて消えていく。こんな場所にも怪物はいるようだ。油断はならない。
「どうする?キャスター。とりあえず上に行こうと思うんだけどなぁ?」
「みぃちゃんもそうする!それにここいいよねっ!みぃちゃん、ここに住みたいなぁ」
「ははっ。そしたらお手伝いさんがたくさんいるねぇ?」
「んー……大丈夫!だってみぃちゃん国王になるもんね!!」
そう言ってキャスター元気良く走り出す。その姿を見てか、フェンサーたちもゆっくりとした足取りで彼女は追いかける。
国王より王女かなぁ?と。苦笑しながらもガンナーも彼女を追いかける。追いかけながら、この場をもう少し理解しなきゃいけない。
情報だ。生き残っている他の三人より、上位に立つにはそれが必要。ここまできたら……生き残り、そして願いを叶える。
くるくると銃を回しながら、ガンナーは今後の目的を決めたのだった。心の中に、一つの願いを秘めながら。
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