3-10【僕も一人で寂しかったからね!】
☆ランサー
もうすぐで今日1日が終わる。そうしたらどうなるか?簡単だ、明日が始まってしまう。
1日1日経つたびに、自分の首を締めていくのは死を見ること、感じること。そしてそれが襲いかかってくるのではないかという恐怖。
その恐怖から逃れる術を、ランサーは持っている。あとは一歩踏み込むだけで、それは完成する。
何度も何度もやめようかと思った。けれどやらなければこの先、どんな恐怖に襲われるかわからない。それは嫌だから、もうこうするしかない。
怖い。けど逃げられない。一度だけ深呼吸をして、ランサーは首に輪っかをかけた。そしてもう一度だけ深呼吸をした後、たんっと飛び出したのだった。
◇◇◇◇◇
☆セイバー
「ここらへんか」
青い髪の少女。セイバーはそう言って目の前の民家の中に入っていく。軽く調べたが、ここには誰もいないらしいのでここで休みを取ることにする。
何か気晴らしに料理でも作ろうかと思い、キッチンの方に向かった。簡単な材料しかなかったが、ないよりマシか。
しかし、その考えを破るように乱雑にノックの音が響く。セイバーは舌打ちをしながら、ドアを開ける。
「……おや、君は」
「……」
◇◇◇◇◇
☆ブレイカー
セイバーがいる家に入った時、彼女に快く中に招き入れられた。そしてなぜか今食事をともにしてる。
悔しいがセイバーが作る料理はとてもおいしい。あの食事会で食べたものをまた食べれるのは嬉しいものだ。
「いやぁ!君と会えてよかったよ。僕も一人で寂しかったからね!」
「……そう」
セイバーはニコニコしている。その顔をにらみながらブレイカーは置かれているコップに手を伸ばした。
口元までそれを持って行き、水面に映るセイバーの方を見た。そして、少しだけ間をおいて口を開ける。
「そういえばモニターも飲み物を飲んで突然倒れたのよね」
「それがどうしたんだい?ささ、早く食べよう!」
プツン。ブレイカーの中で何かが切れた。ドンっとわざと音を立ててカップを机の上に置き、立ち上がる。
セイバーはまだニコニコとしていた。ブレイカーはその顔に向かって釘バットを振り下ろす。
ぐちゃりと音を立ててセイバーの顔が潰れる。ブレイカーは何度も何度もバットを振り下ろし、その度にあたりに鮮血がとんでいく。
十回以上した後、ブレイカーはすでに動かなくなったセイバーを見下ろす。最後に体を蹴り飛ばした後、ブレイカーはその家から出て行った。
「……あら……」
ブレイカーが外に出た瞬間、今日が終わっていた。新しい1日が、始まる。
◇◇◇◇◇
【生存者の10名の皆さん。お疲れ様です】
【これよりマジカル☆ロワイアル4日目を開催します】
【現在のトップはキャスターさんです】
【では皆さま、頑張って生き残ってください】
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