おともだち

「ねぇ〜、さくとひま〜人ってどうやって探すの?」


兄探し、と言えど何をしようか。

人を追いかけるほど求めたことがない私は、全くもってわからない。


「つぐ、そんなの目で探すしかないでしょ!」

友達のさく、桜井茉奈は大真面目な顔をしてすっとぼけたことを言う。

本人は至って本気だ。少し心配。


「さくちゃん、当たり前だよ!んー、探したことないけど情報集めたり?結構大事じゃない?これ!」

もう1人の友達、ひま、伊里川ひまりはしっかりとした答えをくれた。いや、これが普通か。


実を言ってしまうとこの中で一番頭がいいのはさく。こんなおとぼけさんなのにね。なんでもできる彼氏もいるし。人生勝ち組か。でもなんやかんや言ってひまも多分将来はプロピアニスト。頭のいい幼馴染だっているし。あれ、私だけ浮いてる……?


「ありがとう!さくと、特にひま!」

「はいはーい、何するかわかんないけどつぐちゃん頑張って!ひまり応援してまーす。」

「つぐ、探しすぎて視力落とさないでね?よくわかんないけど私も応援してるー!」


二人のお友達に応援してもらったところで、視力が落ちない程度に頑張っていこう。

まずは、ひまが言ってた情報収集。

でも、普通とはちょっと違う。

自分の記憶から情報収集しないと。


兄は何が好きだったっけ。

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