【Second week】
大発明!ミケット博士。
I エジソンの親戚の友達の.....?
「そういえばさ、ここってスマホ使えんのか?」
先日、アパートに荷物を取りに行ったついでに、スマホと充電器も持ってきていたのだが、そもそもここで使えるのだろうか。
「残念だけど、使えないね。電気も通ってるし、電波も飛ぶけど、現世の方の携帯会社は繋がらない、Wi-Fiもないし、実質ただの板になっちゃうよね。」
この事実は、スマホ民の俺にとっては、かなり辛い。
SNSとかゲームなど、かなりスマホに依存してきた。情報化した世の中でスマホや、パソコンは欠かせないし、Wi-Fiは必須アイテムだ。
バァァァン!!!!
事務所のドアがいきなり開いた。
「だーいじょうぶさ!そこの青少年!我輩が作ったこの、『ミケットWi-Fi』と君のスマホを繋げればね!」
そこには、白衣を羽織ったいかにも『the・発明家』という格好の青年が立っていた。
「あー!ミケット博士!お久しぶりですね。」と誘が駆け寄った。
「ミケット...博士?」と、俺がポカンとしていると、
「そう、我が名は、ミケット博士である。本名はルミナ・ナルーミカ・サリマン・アルクアルドというのだが長くて我輩も忘れそうになるので、皆にはミケットと呼ばせているから、君もミケット博士と呼んでくれ。」
「わ、分かりましt...って、ミケット要素なくね?!?!」
ツッコミどころ満載の博士に「日辻くん、ミケット博士は、この世界で電気、ガス、水道設備や、日常に必要なライフラインを作った発明家なんだよ。いつも、実験室で籠っているからなかなか会えないんだ。」と
「我輩は、幼少期にエジソンの親戚の友達の
「結構関係遠いし、当時にしては、大往生じゃないですか!?!?それに、その風貌78歳に見えないですよ!」と、いう俺にミケット博士はニヤニヤ笑っていた。
「それはな、、我輩がつくった『若返りの薬』によって、姿だけは若く見えるのだよ。だけど中身は死んだ時のままだから、あくまでも姿しか若くないから、動きすぎるとぎっくり腰に、なってしまうがね。この辺に住んでいる姉ちゃんたちも大体は我輩の薬で若く見えるようにしてるのさ。」
今朝すれ違った若い女性たちを思い出した。
「中身はオバサンなんだな...。」
この世界の人の見た目には気をつけようと誓った。
「関係性は遠いけれどエジソンの知識はこの頭に入ってるのさ。」
「へ...へえー。凄いですね。」
よく分からないが、ミケット博士は本物の発明家だということはわかった。
「ミケット博士、さっき言っていた『ミケットWi-Fi』とはなんですか?」
「そうだ、今回我輩が開発したのは、ジャジャーン、『ミケットWi-Fi』!このミケットWi-Fiはスマホを繋げるだけでこの世界でも、スマホを使えるようになるのさ。」
「え、でも...ここには携帯会社ないですよね?」
「そんなものはない。だが、このミケットWi-Fiは、携帯会社、機種関係なく繋げられるのさ!」
「へえーすごい発明ですね。ふつーにエジソン超えてるし!じゃあ、会社作れば独占企業、 それに現世でも、使えるんだったら幽霊企業!!」そんなことを思いついた俺に
「それ、いいな!どうする?会社作っちゃう?」と博士は、おどけてみせた。
ミケット博士の凄さに驚きつつ、肝心なことに気が付いた。
「あれ?じゃあ、亡くなってこっちの世界に来たなら、憧れのエジソンにも会えたんですね。」と言うと、
「いや、それがね日辻くん...。」
誘が、何か言いづらそうにしていた。
「我輩も、それは思った。でもな、
エジソンは我輩がこっちに来る前に早々と転生しとった。早く元の世界に帰って実験したいんだといってね。」残念そうにミケット博士は、俯いた。
「それじゃあ、ミケット博士は転生しないんですか?」
「我輩はするつもりはないさ。この世界に着いた途端に『なんだ!?この伸びしろありそうな世界は!!!!!我輩が開拓してあげようではないか』と思ってね。ずっとここで研究しているのだよ。まあ、何か欲しいものがあれば作ってやるぞ?何かあればいつでも頼ってくれ。今日はお近づきの印にこの『ミケットWi-Fi』を君に授けよう。」
渡された『ミケットWi-Fi』に俺のスマホを繋げた。
「す、すげえー・・・」
思わず声を出した。
インターネットも使えるようになり、電話回線も通った。
この世界で、スマホは使い方次第で更に便利になるんじゃないかと思う。
「因みに、君が付けているそのリングも、我輩が作ったんだぞ。」
ミケット博士は、俺のつけたリングを指差した。
リングを見ると表示された数字が減っていた。
「え!!じゃあ解除の仕方とか分かるんですか!?」
「ん、どーかなー?年寄りなもんでね、覚えておらんよ。」
ミケット博士は誤魔化してみせた。
—————コンコン
ドアはゆっくりと開いた。
入ってきたのは、黒髪ロングの女子高生(?)だった。キョロキョロと事務所を見渡す。
「ここって、もしかしてあの世ですか?!」と言った。少し興奮気味だ。
「うん。そうだよ。何かお困りですか?」と
彼女は「やっぱり!!やった!」と喜んだ。
「彼女って、まさか...?」と
「ううん。彼女はまだ生きてる。」と
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