第49話 迎え火

 迎え火を焚いている。

 手持ち花火に火をつけると、ジュワワワワ〜ッと火花が散った。

 次に小さな砲台に火をつける。パンパアンと火花が咲く。

 日中でも綺麗だねと周りの数人と笑い合った。皆も自分も、手元の花火に火をつけては次々に火の花を咲かせていた。

 顔を上げると親族の墓碑がある。お墓の前で花火をやるのは今年初めてだ。

「いやあ、華やかな迎え火もいいね」

「ウェルカ〜〜ム!! って気分になるよ」

 また次の花火に火をつける。

 シュワシュワシュゴーッ。勢いよく吹き出す。

 見えてるかな。こっちだよ。待ってるよ。



 ここで目が覚めた。

 迎え火を焚かない地域に住んでいるので、新鮮だった。

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