第45話 もち

 両腕いっぱいの切りもちを持って歩いていたら、これから出なきゃならない会議があると言われ、しかたなくそのまま会議室に行った。もちをなんとかする暇もなく、空いている席を探しながらもちを落としては拾ってもらったり、何人かの背広をもちの粉で汚してしまった。ああ、だから出たくなかったのに。

 平謝りしながら席につき、議長が来る前にもちを食べてしまうことにした。なんてったって荷物だし、これ以上誰かの背広を汚して謝るのも嫌だ。

 切りもちはよくのびておいしい。



 ここで目が覚めた。

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