漢元帝2 王昭君と画家
そのため元帝、画家に
宮女の似顔絵を描かせて、
オセッセセしたい相手を絵で選んだ。
そうすると、宮女としては
絵が生命線である。画家にゼニを積み、
より美しく描いてもらおう、と計らう。
その中にあり、
うわっわいろとかキモっ! ダサっ!
なので特に銭を出さぬまま、
絵を描いてもらうことにした。
金をくれないやつを
応援してやる義理もない。
画家氏、王昭君を醜く描く。
後日、
おう漢人、美女よこせ。
そう要求してきた。
過去に武帝が
大いに勢力をくじいたとはいえ、
依然として匈奴は強大である。
元帝、匈奴の要求に従い、
美人を差し出すことにした。
さて、美人。
宮中にいる女性は、
みな美女と言う触れ込みである。
なら、一番醜い絵のあいつを送ろう!
そう、王昭君です。
王昭君出立に際し、
一度元帝の前に召し出される。
陛下、そこで初めて王昭君の美しさを知る。
ファッ!?
その美しさにやられた陛下、
何とか発議を止めたいと思ったものの、
もう先方には誰が行くのかを
伝えてしまった。
ここでうかつに人物の変更を
するわけにもいかない。
何せ相手は匈奴。
漢人にとっては、虎か狼か、だ。
何をされるか分かったものではない。
こうして王昭君は、
結局匈奴に送られるのでした。
漢元帝宮人既多,乃令畫工圖之,欲有呼者,輒披圖召之。其中常者,皆行貨賂。王明君姿容甚麗,志不苟求,工遂毀為其狀。後匈奴來和,求美女於漢帝,帝以明君充行。既召見而惜之。但名字已去,不欲中改,於是遂行。
漢元帝が宮人は既に多かれば、乃ち畫工に令し之を圖かしむ。呼ぶ者を欲せる有らば、輒ち圖を披き之を召ず。其の中の常なる者、皆な貨賂を行ず。王明君は姿容甚麗にして、志、苟しくも求めずば、工は遂にして毀ち其の狀を為す。後に匈奴の和せんと來たるに、美女を漢帝に求まば、帝は明君を以て行かしむに充つ。既に召じ見ゆれば之を惜しむ。但だ名字は已に去かば、中改せるを欲さず、是に於いて遂に行わる。
(賢媛2)
王昭君
この辺りは「王昭君匈奴なんぞに嫁に出されて可哀想伝説」の一環であり、より王昭君の可哀想度を上げるために後日付け足されまくったエピソード群の一であると思われている。つうかさぁ……そこでエピソード付け加えるのって「川で溺れている犬を棒で叩く」じゃないのか……?
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