孫綽7  孫綽と許詢   

孫綽そんしゃく許詢きょじゅんは割とワンセット的な

存在だったようなのである。



支遁しとんが孫綽に聞いている。

「そなたは許詢と較べると、

 どうであろうな?」


孫綽は答えている。

「かれのその思索、遠望に、

 小生は常々感服しております。

 もっとも、小生が

 詩を詠み、詠じれば、

 かれは頭を下げてくるでしょうね」



そんな関係性の二人であるが、

世の評価も二分されていたようだ。


ある人は許詢の清廉さをたたえ、

孫綽の卑俗な振る舞いを腐す。


別のある人は孫綽の文才を愛し、

許詢の作品は一顧だにしない。


そう言うノリだった。




支道林問孫興公:「君何如許掾?」孫曰:「高情遠致,弟子蚤已服膺;一吟一詠,許將北面。」

支道林は孫興公に問うらく:「君は許掾とでは何如?」と。孫は曰く:「高情を遠きに致し、弟子は蚤已に服膺す。一に吟じ一に詠さば、許は將に北面せん」と。

(品藻54)


孫興公、許玄度皆一時名流。或重許高情,則鄙孫穢行;或愛孫才藻,而無取於許。

孫興公、許玄度は皆な一なる時の名流なり。或るもの許が高情を重んじ、則ち孫が穢行を鄙む。或るもの孫が才藻を愛しみ、而して許を取りたる無し。

(品藻61)




ここでもさらっと Dis られてる孫綽さんぱねぇ

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