王述5 王述さんの度量
かなりツンケンした性格だったそうだ。
思い通りにいかないことがあると、
思いつく限りの雑言悪句をぶちまける。
そんな不条理なアレの
ターゲットにされていた王述さん、
ではどう対応したのだろう。
努めて平静を保ち、
壁に向かい、不動の心。
そのまま半日を過ごす。
謝奕が罵り疲れて立ち去ることしばし、
王述さん、壁から顔を外し、
側仕えたちに聞く。
「どうだ、あれは行ったか?」
「はい、立ち去られました」
それを聞いて、
ようやく前を向き、座り直す。
王述さんと言えばせっかち。
それは誰もが知る所だ。
しかし、他者の言葉を受け容れる、
その度量の広さには、
みな感嘆していたという。
謝無奕性麤彊。以事不相得,自往數王藍田,肆言極罵。王正色面壁不敢動,半日。謝去良久,轉頭問左右小吏曰:「去未?」答云:「已去。」然後復坐。時人歎其性急而能有所容。
謝無奕が性は麤彊なり。事を以て相い得たらざらば、自ら王藍田に往きて數め、言の肆に極罵す。王は色を正し壁に面し敢えて動かず、半日す。謝の去れること良や久しうし、頭を轉じ左右の小吏に問うて曰く:「去りたるや未だなるや?」と。答えて云えらく:「已にして去りぬ」と。然る後に復た坐す。時の人は其の性の急なれど容る所の能く有せるを歎ず。
(忿狷5)
突然の暴走機関車謝奕……何だこの
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