王戎4 王戎ちゃんつおい
みんなで遊びに行った時、
道ばたにスモモの木があった。
しかも、今にも枝を
折らんばかりの勢いで、
めっちゃ実がついている。
やべえ、頂き!
みんなが、わっと
スモモの木に走っていく中、
王戎ちゃん、ちょこんと一人残り、
みんなの様子を眺めていた。
あれ、お前行かないの?
仲間に聞かれると、
王戎ちゃんは答える。
「道ばたで、あれだけなってるんだよ?
普通みんな取るでしょ。
けど、そうじゃない。
つまりは、そういうことさ」
そう、一口かじってみれば、
その李はかなりエグみが強かったのだ。
王戎七歲,嘗與諸小兒遊。看道邊李樹多子折枝。諸兒競走取之,唯戎不動。人問之,答曰:「樹在道邊而多子,此必苦李。」取之,信然。
王戎の七歲なるに、嘗て諸小兒と與に遊ぶ。道の邊に李の樹の子の多きを看、枝を折る。諸兒は競いて走り之を取るも、唯だ戎は動かず。人の之を問うに、答えて曰く:「樹の道の邊に在りて子多かば、此れ必ずや苦き李なり」と。之を取らば、然りたるを信ぜらる。
(雅量4)
虎にもスモモにも動じない王戎ちゃんつおい。
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