王敦14 憎しみの連鎖2
かれの門出を祝う宴が
そこに
同時に到着、送別をなした。
この時宴席には多くの人がおり、
二人が来ていたことを
知らないものもいた。
そんな客の一人が、迂闊にも言う。
「司馬承さまが災いに逢われたのは、
あれは、王廙どのの独断だ」
は? うちの親父王廙に殺されたの!?
そんな事実を初めて知った司馬無忌、
近くにいた士官の刀を奪い取り、
王耆之に斬りかかろうとする!
王耆之、慌てて川に飛び込んで逃れる。
そこを近くの船頭に引き上げられ、
なんとか難を回避した。
なお王耆之だが、
「かれのあの屈託のなさは、
きっと家門にあるがゆえなのだろうな」
と言われている。
ん、褒めてるんですかそれ……?
應鎮南作荊州,王脩載、譙王子無忌同至新亭與別,坐上賓甚多,不悟二人俱到。有一客道:「譙王丞致禍,非大將軍意,正是平南所為耳。」無忌因奪直兵參軍刀,便欲斫。脩載走投水,舸上人接取,得免。
應鎮南の荊州を作さるに、王脩載、譙王の子の無忌は同じうして新亭に至りて與に別る。坐上の賓は甚だ多く、二人の俱に到れるを悟らず。有る一なる客は道えらく:「譙王の丞の禍を致せるは大將軍が意に非ず。正に是れ平南の為せる所なるのみ」と。無忌は因りて直兵參軍の刀を奪い、便ち斫らんと欲す。脩載は走りて水に投じ、舸上の人の接取されば、免がるを得る。
(仇隟4)
謝中郎云:「王修載樂託之性,出自門風。」
謝中郎は云えらく:「王修載が樂託の性、門風より出づらんか」と。
(賞譽122)
前条と比較すると、いろいろ謎が残る条。ちなみに王耆之は
で、なんでなのかと言うと、さっぱりわからない。司馬無忌ってその子孫に
ここで登場する應詹がなったのは荊州刺史じゃなくて
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