周顗5  周顗と王敦2  

王敦おうとんが反乱軍を率いて西進、

石頭せきとう城を占拠した時のことだ。


王敦の侵攻を止められず、

あえなく敗北した周顗しゅうぎさん、

石頭城に出頭する。


王敦は言う。


「そなたは何ゆえに敗北したのであろうな」


周顗さんは答える。


「貴公が軍勢で正義を捻じ曲げたので、

 私は畏れ多くも陛下より軍権を賜り、

 六軍を率いた。


 だというのに、かれらが

 満足な戦働きをしなかった。

 故に私は、貴公に敗北したのだ」




王大將軍既反,至石頭,周伯仁往見之。謂周曰:「卿何以相負?」對曰:「公戎車犯正,下官忝率六軍,而王師不振,以此負公。」


王大將軍の既に反せるに、石頭に至らば、周伯仁は往きて之に見ゆ。周に謂いて曰く:「卿は何をか以て相い負けたるか?」と。對して曰く:「公が戎車は正を犯したるに、下官は忝くも六軍を率いたれど、而して王師は振るわず、此を以て公に負く」と。


(方正33)




まって。

周顗さんまって。


それ総大将が

一番言っちゃいけないセリフ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る