周顗6  周顗と王敦3  

王敦おうとん周顗しゅうぎを殺したのちのこと。

ある宴席にて、王敦が言った。


「周家には三公になった者も

 いなかったな!」


すると、同席していたものが答える。


「周顗殿だけは、ちょぼで言えば

 邑五馬領頭ゆうごばりょうとうの目を出していましたな。

 それでも、公には届きませんでしたが」


邑五馬領頭。

とりあえずすごい目らしい。

詳細は謎だが、

王敦がロイヤルストレートフラッシュ、

周顗さんがエースのフォーカード、

そんな感じだろうか。


王敦の酒を飲む手が、ふと止まる。


「儂と周顗殿は洛陽らくようで出会い、

 ひと目合って即意気投合した。

 世の荒波に揉まれた結果、

 あのようなことになってしまったがな!」


そう言って王敦、涙をこぼすのだった。




王大將軍於眾坐中曰:「諸周由來未有作三公者。」有人荅曰:「唯周侯邑五馬領頭而不克。」大將軍曰:「我與周,洛下相遇,一面頓盡。值世紛紜,遂至於此!」因為流涕。


王大將軍は眾坐の中にて曰く:「諸周の來しき由には未だ三公を作さる者有らざらん」と。有る人は荅えて曰く:「唯だ周侯が邑五馬領頭たれど克たず」と。大將軍は曰く:「我と周は洛下にて相い遇せど、一に面を頓盡す。世の紛紜せるに值い、遂には此に至らん!」と。因りて流涕を為す。


(尤悔8)




へー。


ほーーーーーー。


まともに顔を合わせられなかった

あなたがねえ。


ふーーーーーーーーーん。

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