謝玄1  孝行息子の清談力

獻武公 謝玄しゃげん 全7編

 既出:武帝5、簡文28、苻堅4、謝安8

    謝安12、謝安23、謝安28

    謝安34、謝安37、謝安45

    謝安59、謝安61



謝奕しゃえきの喪中の時の話である。


息子の謝玄の元に、支遁しとんが訪問した。

そこで謝玄と夕方まで清談を交し、

その後、辞去。


帰る道すがら、支遁さんの様子を見て、

話しかける人がいた。


「支遁様、どちらから

 お戻りになられたのですか?」


すると支遁は答える。


「今日は謝氏の孝行息子殿と

 思いがけず激しい清談を交せてな。


 その帰途についておると言う訳よ」




謝車騎在安西艱中,林道人往就語,將夕乃退。有人道上見者,問云:「公何處來?」答云:「今日與謝孝劇談一出來。」


謝車騎の安西が艱中に在るに、林道人は往きて語に就き、將に夕に乃ち退かんとす。人の道上にて見る者有り、問うて云えらく:「公は何處より來たらんか?」と。答えて云えらく:「今日、謝の孝なると劇しく談じ、一なるに出で來たる。」


(文學41)




これ相当支遁さんとしても満足のいく清談が交せた、ってことですよね。劉惔りゅうたん謝安しゃあんレベルじゃない、とこそ言われているものの、支遁さんもやはりこの時代のトップ清談ランナーの一人。そんなひとを、あからさまに上機嫌にさせるだけの清談キメた、ってことになりますね。


謝玄さんちょっと文武両道過ぎやろ……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る