庾亮17 病身の哭礼
その外見については、
「あの白磁のような肌、真っ黒な瞳!
あの様な人を神仙界の人と言うのだろう」
とか、
見ていた
「やれやれ、彼らは杜乂を知らんのか」
と呟いたレベルの人である。
そんなかれは、世間では
「杜乂はさっぱりと美しく、
とか、
「あの麗しく、気品に満ちているさまは、
まさに歌として残されるに相応しい」
とか、そう言うレベルで称賛されている。
のだが、残念なことに、体が弱い。
あるとき、杜乂の家の墓が
崩れてしまったことがあった。
この時杜乂は、
殊更に嘆くそぶりを見せなかった。
その話を聞き、えーポリコレ違反じゃん、
と周りがひそひそ陰口をしていたようだ。
なので
「彼の病は深刻なものだ。
なので我々のように慟哭をしてしまえば、
それで病身に障ってしまう」
また、このようにも言っている。
「杜乂殿の哭礼は、挙動には現れぬのだ」
王右軍見杜弘治,歎曰:「面如凝脂,眼如點漆,此神仙中人。」時人有稱王長史形者,蔡公曰:「恨諸人不見杜弘治耳!」
王右軍は杜弘治に見え、歎じて曰く:「面は凝脂が如く、眼は點漆が如し。此れ神仙中の人なり」と。時の人に王長史の形を稱うる者有り、蔡公は曰く:「恨むらくは諸人をして杜弘治を見さしまざるのみ!」
(容止26)
世目「杜弘治標鮮,季野穆少。」
世の目すらく「杜弘治は標鮮にして、季野は穆少たり」と。
(賞譽70)
有人目杜弘治:「標鮮清令,盛德之風,可樂詠也。」
有る人の杜弘治を目すらく:「標鮮として清令、盛德の風は、樂と詠うべきなり」と。
(賞譽71)
杜弘治墓崩,哀容不稱。庾公顧謂諸客曰:「弘治至羸,不可以致哀。」又曰:「弘治哭不可哀。」
杜弘治が墓の崩るるに、哀しき容を稱さず。庾公は顧て諸客に謂いて曰く:「弘治は羸に至らば、以て哀を致すべからじ」と。又た曰く:「弘治の哭は哀しむべからじ」と。
(賞譽68)
杜乂
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