庾亮13 オーラが見えるよ
さて、
ここまで全然登場してこなかったが、
後に
かなりの大物だ。
そんな褚裒さま、
武昌の庾亮さまのところに立ち寄った。
どうも孟嘉さんの評判を
聞いてのことらしい。
「庾亮殿、孟嘉殿が
非常に優秀な方と聞いたのだが、
今、こちらにいらっしゃるか?」
そう訊ねる褚裒さまに、
庾亮さまは答える。
「そなたご自身でお探しになられよ」
そう言って幕僚の前に立たせると、
褚裒様、しばし諸氏を見渡したのち、
孟嘉さんを指さして言う。
「このお方が、
他の方より抜きん出ている。
このお方ではあるまいか?」
「然りである!」
庾亮さま、大笑いである。
人々は褚裒様の見識の
素晴らしさに感嘆したし、
またそんな方にまで孟嘉さんが
称賛されていることを喜んだ。
武昌孟嘉作庾太尉州從事,已知名。褚太傅有知人鑒,罷豫章還,過武昌,問庾曰:「聞孟從事佳,今在此不?」庾云:「卿自求之。」褚眄睞良久,指嘉曰:「此君小異,得無是乎?」庾大笑曰:「然!」于時既歎褚之默識,又欣嘉之見賞。
武昌の孟嘉は庾太尉の州從事に作され、已に名を知らる。褚太傅は人鑒の知を有さば、豫章より罷り還じ武昌を過れるに、庾に問うて曰く:「孟は事に從ぜるに佳しと聞く、今、此に在れるや不や?」と。庾は云えらく:「卿は自ら之を求むべし」と。褚は眄睞を良や久しうし、嘉を指して曰く:「此の君は小しく異なれど、是に無からんを得んや?」と。庾は大いに笑いて曰く:「然り!」と。時のひと既に褚の默識に歎ざば、又た嘉の賞せらるを見ゆるに欣ず。
(識鑒16)
褚裒
外戚。娘の
孟嘉
かなりの優れた文人であり、後世の詩人
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