謝安27 王劉と謝安3
どんなことになるだろう。
例えば、
「支遁殿と祖父上では
どちらが優れておりましたでしょうか」
「王濛様のほうが圧倒的だよ」
「では、劉惔様とでは?」
「あぁ! それはもう劉惔様だ」
あまりの即答ぶりに、王恭は更に問う。
「ええと、それでは支遁殿、
まるで両名に敵わない、
という事になるのでは……?」
謝安、我が意を得たりと、言う。
「そうそれ! まさにそれ!」
また、
「彼は先達の誰と
比肩されるべきでしょうか?」
そう質問する者がいたので、
謝安さま、答えた。
「彼については、正直なところ、
王濛劉惔の高みに達している、
と評しうると思っている」
最高級の大絶賛じゃないすか…
ではそんな謝安さま自身が
両名に比較されるとどうなるのだろう。
王恭は謝安さまをこう評している。
「気配り、思いやりの細やかなること、
ことこの域にまで至れるのか、
と言う感じだな」
その上で、三者を並列して語る。
「祖父上は虚心坦懐のきわみ、
劉惔様は秀優卓抜のきわみ、
謝安様は融通無碍のきわみである」
王孝伯問謝太傅:「林公何如長史?」太傅曰:「長史韶興。」問:「何如劉尹?」謝曰:「噫!劉尹秀。」王曰:「若如公言,並不如此二人邪?」謝云:「身意正爾也。」
王孝伯は謝太傅に問うらく:「林公は長史とでは何如?」と。太傅は曰く:「長史が韶が興ず」と。問うらく:「劉尹とでは何如?」と。謝は曰く:「噫! 劉尹が秀ず」と。王は曰く:「若し公の言の如りたれば、並べて此の二人に如かざらんや?」と。謝は云えらく:「身が意、正に爾りたるなり」と。
(品藻76)
人有問太傅:「子敬可是先輩誰比?」謝曰:「阿敬近撮王、劉之標。」
有る人は太傅に問うらく:「子敬は是れ先の輩の誰に比さるべきか?」と。謝は曰く:「阿敬の撮せるに近きは王、劉の標なり」と。
(品藻77)
王孝伯道謝公:「濃至。」又曰:「長史虛,劉尹秀,謝公融。」
王孝伯は謝公に道えらく:「濃なるの至りたり」と。又た曰く:「長史は虛、劉尹は秀、謝公は融」と。
(品藻84)
とばっちりのように王献之の株が爆上がりなのが面白すぎる。
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