桓温63 サイコロを振れ 

桓温かんおんさまと袁耽えんたん

サイコロ賭博に興じていた。


袁耽と言えば、その博才を

天下に鳴り響かせた達人だ。

だがこの日の出目が、とにかく悪い。

遂には怒り出し、

サイコロを投げ捨ててしまった。


「おぉー……」


この様子を野次馬していた温嶠おんきょうさん、

思わずコメント。


「今日の袁耽みたいな状況になっても、

 顔回がんかいだったらきっと

 怒り出さなかっただろうな。


 全く、顔回ってのは

 本当に偉大なもんだ」




桓宣武與袁彥道樗蒱。袁彥道齒不合、遂厲色擲去五木。溫太真云見:「袁生遷怒、知顏子為貴。」


桓宣武は袁彥道と樗蒱す。袁彥道の齒は合わず、遂にして色を厲とし、五木を擲去す。溫太真は云えらく「袁生の怒るるを遷らるを見るに、顏子の貴きの為さるるを知る」と。


(忿狷4)




さらりと孔子こうしの高弟に比較されてる袁耽さんも、やっぱりすごい人物だ、ってことにはなりますわね。ていうかなんでここに温嶠さんが顔出してんのかが謎。まぁけど温嶠さんが亡くなったの桓温さま18の時だし、こういうやり取りも発生しうるのかな。二歳の鍾会に曹丕の前でこしゃまっくれた応対させた世説新語さんに年齢云々言ってもしょうがないですがね!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る