桓温52 高崧割とキレそう
朝廷の出仕要請を
シカトしてきていたことで有名である。
だが遂に重い腰を上げ、
出仕することとなった。
という、まさにその時。
見送ろうとしている中に、
中堅役人の
既に結構酔っぱらっていた高崧、
酔いにかこつけて、謝安さまに言う。
「あなた様は、ずっと朝廷の要請を
シカトし、東山でのんびりと
高みの見物をおキメでいやがった。
みんな言ってましたよ、
謝安どのが動かなければ、民草は
どうなってしまうのだろうね、と。
さて今、民草は
あなたさまのこのご出仕、
どう思っている事でしょうね」
今更かよ、おっせェーんだよ、
と言ったあたりだろうか。
いずれにしても高崧、
これまでの謝安さまの振る舞いには
相当ご立腹だったようだ。
なら「みんながどう思ってることか」
じゃなくて、「俺はムカついてた」
でいいのにねーぇ。
ともあれ謝安さま、
ふふっと微笑むくらいで、
特に何も返答はしなかった。
謝公在東山、朝命屢降而不動。後出、為桓宣武司馬。將發新亭、朝士咸出瞻送。高靈時為中丞、亦往相祖。先時多少飲酒、因倚如醉、戲曰:「卿屢違朝旨、高臥東山。諸人每相與言『安石不肯出、將如蒼生何?』今亦蒼生將如卿何?」謝笑而不答。
謝公の東山に在れるに、朝命屢ば降れるも、動かず。後にして出で、桓宣武の司馬と為る。將に新亭を發たんとせるに、朝士は咸な出で瞻送す。高靈は時に中丞為りて、亦た往きて相い祖す。先時にして多少の酒を飲み、醉いたるが如きに因りて倚り、戲れに曰く「卿は屢しば朝旨に違い、高く東山に臥す。諸人は每に相い言えらく『安石の出づるを肯ぜざるは將に蒼生をして如何?』と。今、亦た蒼生は將に卿をして如何?」と。謝は笑いて答えず。
(排調26)
高崧
めっちゃ生真面目なタイプのオッサン。そりゃ謝安さまのこの前半生の放埓な振る舞いにキレますわ。ところでこの人、晋書に列伝されていて、更に夫婦そろって墓誌も発見されてるらしい。ただし墓誌には名前と死亡日しか書かれていなかったのでしょんぼりである。ちなみに奥さんは陳郡謝氏だそうなので、謝安さまとは姻戚でもある。
高崧さん→https://www.shufazidian.com/ziliao_m/4282.html
おくさま→http://www.shufazidian.com/ziliao_m/4283.html
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