王導43 王導と周顗2
お酒を飲んでいた。
そこでいきなり、空になった
瑠璃の杯を、
「この杯の中には何も入っていない。
つまり、杯としての
用を為しておらんのだ。
だのにこの杯は
宝として扱われておる。
これはいったい、
どうしたわけなのであろうな」
王導さまが見るのは、
周顗さんのその、堂々たるお腹。
外見ばかり麗しいが、
その中身に収まるべきものがない。
そのような人間を貴人として扱うのは
どうしたことなのか、と。
うわあ、丞相エグい。
だが周顗、さらっと返す。
「とても綺麗で透き通っておる。
ならば十分に宝であろう」
さて後日。
王導さま、周顗に膝枕してもらってた。
王導さま、周顗の腹をつつく。
「この中には、何が入っているのかな」
周顗さん、答える。
「何もないよ。空っぽだ。
だが、きみたち程度なら
数百人は入るだろうな」
王公與朝士共飲酒。舉瑠璃盌、謂伯仁曰:「此盌腹殊空。謂之寶器。何邪?」答曰:「此盌英英、誠為清徹。所以為寶耳。」
王公と朝士は共に酒を飲む。瑠璃盌を舉げて伯仁に謂うて曰く「此の盌腹は殊に空し。之を寶器と謂うは何ぞや?」と。答えて曰く「此の盌、英英として誠に清徹為り。寶と為す所以のみ」と。
(排調14)
王丞相枕周伯仁厀。指其腹曰:「卿此中何所有?」答曰:「此中空洞無物。然容卿輩數百人。」
王丞相は周伯仁の厀に枕し、其の腹を指して曰く「卿の此の中には何所を有せるか?」と。答えて曰く「此の中は空洞にして物無し、然れど卿らの輩を數百人を容す」と。
(排調18)
初めてこれをやります。明帝10との重複掲載。さすがにこの二つは同じ画面にないと駄目でしょ。
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