王導9  庾亮を見舞う  

ある暑い日、

王導おうどうさまが石頭せきとう城に詰める

庾亮ゆりょうの元に訪れた。


おりしも庾亮、政務の真っただ中。


「おいおい庾亮殿、このクソ暑い日に

 そう頑張らずとも良かろうに。

 少しは楽をなさい」


すると庾亮は言う。


「貴方のそういうテキトーなところ、

 みんないらついてますよ」




丞相嘗夏月至石頭、看庾公。庾公正料事。丞相云:「暑、可小簡之。」庾公曰:「公之遺事、天下亦未以為允。」


丞相は嘗て夏月に石頭に至り、庾公を看る。庾公は正に事を料る。丞相は云えらく「暑かりしに、之を小しく簡とすべし」と。庾公は曰く「公の事を遺せるに、天下は亦た未だ以て允しと為さざるなり」


(政事14)




このエピソードは庾亮か庾冰で迷ったのだが、考えてみりゃ弟のほうは「公」爵になってませんでしたね。王導が晩年に手抜き政治をやっていたという部分からすれば庾冰が執政していた頃とした方がタイムライン的にすっきりする、んですが。まーこう言うのは読んで楽しい方に解釈すればよろしい。

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