王渾1  父の葬儀    

王渾おうこん 全5編



竹林七賢王戎おうじゅうの父、王渾。

有能な武将でもあり地方官であった。

その最終官位は涼州刺史。


その王渾が亡くなると、

彼が歴任した九つの郡の人びとの内

その恩義を受けた人たちが、

王渾より受けた恩義を思い、

我も我も、と香典を届けに来る。


その総額は集まりも集まり、

数百万銭超にもなった。


が、王戎、これを全部断った。




王戎父渾有令名,官至涼州刺史。渾薨,所歷九郡義故,懷其德惠,相率致賻數百萬,戎悉不受。


王戎が父の渾に令名有り、官は涼州刺史に至る。渾の薨ぜるに、歷せる所の九郡が故きに義し、其の德惠を懷い、相い率いて賻を數百萬致せるも、戎は悉く受けず。


(德行21)




王渾

紹介したいのはどちらかと言うと王濬おうしゅんなのだが、まぁいないのでしゃあない。どちらも晋の天下統一に大きな武功があった。そして仲が悪かった。王渾が太原たいげん王氏、王濬が弘農こうのう王氏。


※2019.06.04追記

やっちまった……こちらの王渾は琅邪ろうや王氏で、同姓同名の別人です。太原王渾の父親世代の人。

それにしても、王戎の父親ってこたそれなりに名声博してたはずだし、そう簡単に王氏同士でのかぶりが出るとも思えんのよね。これ太原王渾の父である王昶おうちょうが「チェスト琅邪王渾」の意図を込めてつけたのかもしれんね。

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