曹操14 梅は、酸っぱい。

曹操そうそう軍、遠征中のこと。


うっかり水場を見失ったため、

誰も彼もがのどの渇きに苦しんだ。


そこで曹操が言う。


「おい、もうすぐ梅林に辿り着くってよ!

 きっといっぱい梅の実があるぞ、

 ほら、あの甘酸っぱさ!

 あれで喉を潤せるんだ!

 想像するだけでたまらんよな!」


兵士たちの口に、

たちまち涎がにじみ出る。


当面の危機を突破した曹操さまの軍は、

そっから進軍して、

何とか水源に辿り着くのだった。




魏武行役,失汲道,軍皆渴,乃令曰:「前有大梅林,饒子,甘酸,可以解渴。」士卒聞之,口皆出水,乘此得及前源。


魏武の役を行くに、汲道を失い、軍は皆な渴う。乃ち令して曰わしむらく:「前に大なる梅林有り、子饒くして甘酸なれば、以て渴えを解すべし」と。士卒は之を聞き、口に皆な水を出だし、此れに乘じて前源に及ぶを得る。


(假譎2)




「すっぱいものを想像すると涎が出る」。

人間の特性を利用するわけだ。

でも嘘なんだなぁ、これが、とゆう。

まあ結果オーライ。

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