殺し方を知らない僕ら
壱闇 噤
鮮血の月の下で出遭う
「殺す事に意義があり理由がある──なんて言い訳は通用しないかな? なぁ青年?」
『“殺し方”に答えなどありはしない』。と、眼の前の
「んん?
「……ひ…………」
「ひ?」
「人、人殺しッ!」
あ、声出た。てっきり出ないかと思った、恐怖で。出た代わりにカラカラで喉がヒリヒリ痛いけど。
『
酷く
「
「ッ……」
確かに言われてみればそうだ。殺人鬼は人を殺すから殺人鬼な訳で。そんな奴に『人殺し』と言っても文字通り痛くも痒くも無いだろう。
彼は血に濡れた刃物をくるくると手の内で弄びながら、電話を誰かに掛ける。
「んー……んんー? あ、出た出た。もしもーし生きてるー? あ、生きてんのね、良かった良かった〜」
「……」
電話で暫く話したあと、彼は此方に視線を向けつつ電話の相手にこう言った。
「…ところでさ。『
『……ッ! ……? …………ッ!!』
「怖い怖いw 大丈夫だって、あの人には迷惑掛からないし! 掛けないし! 良いでしょオ?」
やがて電話口で面倒臭そうに重い溜息をつく声が聞こえた。
どうやら相手が先に折れたらしい。
「わー赦してくれるんだね、『
『うるせぇ、無駄話してんじゃねぇぞ、こん糞が!』
此方にも聞こえるほどの大音量で罵声が聞こえる。
どうも『
「じゃ、行こっか? ──『
……一般人の俺には分からない理屈で俺は殺人鬼に連れ去られるようです。
殺し方を知らない僕ら 壱闇 噤 @Mikuni_Arisuin
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