プロット:吐く息が白くなる頃、鳩を売る

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第1話 吐く息が白くなる頃、鳩を売る

どうあぐねても、不幸を背負った時間の動きは止まらない。


中学の頃、月曜は、全校朝礼があった。

吐く息が、白くなる朝、うしろのワルで小柄の川田が、また、今日も、小声で同じ事を言った。


「ちいちゃん、こないだ、買ってくれって、言ったよね」

「ああ」

「あの鳩ね、2匹で250円を2匹で125円で、いいよ。」

「あれかぁ」

「ちいちゃん、動物ね、好きだから、譲ってやってもいいよ。」

「うちのおかあちゃんが、、なんちゅうかぁ・・・」

「じゃ、100円で、、どう、、、、頼むよ。よぉ。いいじゃん。100円、,今、持ってんだろぉ」

「少年マガジン、、買うんだからさぁ、、ねえよぉ」


「今だけだぜ、伝書鳩だし、今日中なら・・・」

「伝書鳩、あぁ、、何度も聞いたよぉ・・、それね、考えてとくよ・・・」

「けどよ、鳩が、かわいそうじゃん」

「だったら、お前が飼えばいいんじゃんか、うるせよぉ、おまえ、鳩なんかでよぉ」

朝礼が終わって・・・

「あげるよ、、今日、持ってくよぉ」

「でも、おかあちゃんが、、さぁ・・・」


それから、もう、川田とは会う事はなかった。

川田が学校に来ることもなかった。


数日して、クラス委員が、

「あの万引き野郎、また、少年院に入ったらしいぜ、笑っちゃうよな」

と、言って笑った。


とにかく、自分と川田との共通点を探せば、

学校は、本当に好きにはなれなかったと言うことだろう。

それから、おかあちゃんが、とにかく、うるさいことだった。

しかしだ、母子家庭の川田は、自分のものは、万引きするしかない、にしてもだ、

、、まずいな、いつも当たり前に、それは・・・・



3月初めの中学の卒業式に行かずにとぼけていたら、あのクラス委員が、向かえに来たので、遅れて行った。

家が学校の前だから、仕方ない。



それにしても、川田やあの鳩は、あれから、どうなったんだろう。

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