第50話 階段
昼寝から起きたら見慣れない部屋で、一瞬驚いた。
そういえば家族で温泉旅館に来ていたんだった。
外は夕暮れ、夕食の時間だ。両親から「食事に行くからね」と声をかけられたっけ。あわてて部屋を出た。食事場所は大広間だったはずだ。
ロビーまで出て足が止まった。似たような通路で方向感覚を失う。どっちだっけ。
運よく、そこで戻ってきた両親を見つけた。
「早く行っておいで、おいしかったよ」
「先に部屋で休んでいるから」
「大広間はあっちだよ」
指されたほうへ歩いていったが、行き止まり。
通路が縦横左右に入り組んで、ここはエッシャーの迷路のようだ。増築に増築を重ねたらこうなるんだな。大広間までどうやったら行けるんだろう。おなかすいた。
万華鏡散歩/夢のなか 羽風草 @17zou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。万華鏡散歩/夢のなかの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます