第17話 カウント

 南の魔女に仕えていた。

 魔女は毎日魔法だのなんだのやっているけれど、今日はなにやら思うように進んでいない様子。とうとう八つ当たりが下僕に回ってきた。

「こーの役立たず! とっとと羊1000匹集めておいで!!」

 せんびき。

 遠い目をしながら、頷いた。


 すぐに同僚ふたりと牧場を駆け回った。

 あっちに行ったこっちは20だと声をかけながら、逃げる羊を牧羊犬さながら集めまくる。誰も羊を追ったことないから、うまくいかない。やっと集めた羊は柵に入れるが、今度は数えるのが大変ときた。

 羊に囲まれながら同僚がめずらしくこぼした。

「寝る以外で数えるなんてしたことないぜ」

 まったくだ。やってられないね。

 結局羊は300匹も集められず、疲れきった自分たちは草地でのんびり魔法の練習をした。しばらく戻らない方が南の魔女の機嫌も損ねないだろう。



 ここで目が覚めた。

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