第15話 飛行テスト
自家用戦闘機の飛行検査に来た。2年に一度の義務とはいえ今年はちょっと心配だ。かれこれ10万キロ飛んでるからあちこちガタが来てるかもしれない。当然、買い替えするお金はない。
ディーラーと話したあと、飛行機に乗り込んでシートベルトを締める。目の前には廃墟の浮く海が広がり、障害物のない箇所に色鮮やかな「浮き」が点在している。飛行距離数だ。
赤い信号が黄色になり、青色になった。アクセルバーを思いきり押した。愛機は勢いよく海上に飛び出した。
上昇するスピードに合わせてギアを上げる。障害物がない場所をまっすぐ飛ぶ。すごく気持ちがいい。あっという間にトップギアになった。
普段はこの愛機で買い物に行ったりするが、廃墟ビルとか黒焦げの塔が邪魔して、スピードは出せない。ここぞとばかりに飛んだ。メーターは特に異常を示さない。まだいけるかな。
メーターが100キロを指してほどなく無線が「いいよ、戻って」と喋った。
大きく旋回し、スタート地点に戻る。
あー楽しかった!
戦闘機を降りるとディーラーがファイルを持ってやってきた。異常なし。むしろスピードが出ることに驚いたそうだ。笑った。
家に帰ったら迷子の小型犬がいた。 さてどうしたものか。
ここで目が覚めた。
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