第13話 田舎の子ども
自分は田舎に住む5歳くらいの子どもになっていて、お気に入りの赤いスカートを履いていた。
竹の多い裏山で顔の知らない友達たちと遊び、お昼になる前にふもとの古い日本家屋に帰った。いつもなら夕方まで遊んでいるのだけど、今日は親戚がうちに集まるので顔を見せにいかなければならない。
家に帰ると顔の知らないお母さんが準備に走り回っていて、自分は玄関で来客を出迎えるよう頼まれる。それだけでいいらしい。
ほどなく、ぞろぞろと親戚がやってきた。見たことのない人ばかりで緊張したが「おや懐かしいね」「元気だったかい」とやさしく話しかけられては安堵した。そこにはいつもの空気があった。
ひとりひとりに挨拶をしながらこっそり人数を数えていく。
ひいふうみいよういつむ。両手じゃたりない。
全員集まるとおとなたちは奥の座敷に入っていったので、こちらもいつものように本棚の絵本を読んで、待つことにした。
どれも戦闘機と兵隊さんの絵本だ。ともだちの戦闘機に乗った兵隊さんは、ばんざい、ばんざいと言うおなじ旗に見送られていた。
あーあ、はやくお話終わらないかな。
ここで目が覚めた。
(見たことがない古びた絵本だったことを覚えている。)
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