第9話 迷子
青い街並を、子どもの手をひいて歩いていた。この子が通う学校の役員決めに、これから学校に行かなければならない。いや、児童会館だっけ。どっちだっけ。
青いアスファルトの丸い階段を降りて、青い公園にすこし立ち寄った。滑り台もブランコもぜんぶ青い。子どもは遊具を一通り遊んで満足し、また手をつないで歩き出した。
青い路地を右に折れ、青と白のストライプの軒下を通っていく。トラ猫が塀上から「にあお」と鳴いて、いなくなった。ええと、どっちだっけ。
子どもが手を振り切って道に飛び出した。あわてて引き戻したら、まるで襲いかかってくるように車がすごい勢いで目の前を走っていった。
子どもにゲンコツを入れる。飛び出すなバカ!!
どれくらい歩いたんだろう。疲れた。
行き先はわからないし、これではいつ着くかわからない。もう帰って、電話を待っていよう。さっきのストライプのお店でパンを買って帰ってもいい。そして青い公園で食べよう。
ここで目が覚めた。
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