第5話 はりいぽったあ

【前書き】

 世界的ベストセラーのハリー・ポッター。この夢を見た当時の自分は原作未読である上に映画も見ていません。


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 ハリー・ポッターはいかにも歴史を感じる大聖堂に足を踏み入れた。


「ハリー!」


 ふわふわ金髪の女友達が奥から駆け寄ってきた。青ざめて怯えた表情で。見て、と言われ視線を追うと、大聖堂のあちこちでクラスメートが倒れていた。全員、事件解明に秘密裏に動いた面々だと知って、戦慄する。中でも彼を緊張させたのが、正面の黒板におおきく描かれた血の魔法陣と、その上に磔にされている小太りの友達だった。

 この事件で、とうとう人が死ぬなんて。恐怖と怒りを抱えて近寄ったが、幸いなことに彼はまだ生きていた。よかった。

 なんとか彼を床に下ろす。安静にした方がいいだろう。

 彼女が震えながら聞いた。

「ハリー、これって」

「ああ、そうだ」

 次々行方不明になるクラスメートと、大聖堂で倒れていたメンバー。

 ハリーは唇を噛む。

 こんな宣戦布告のようなことは、あいつがやったとしか思えない。

「じっちゃんの名にかけて解明してやる! 真実はひとつ!」


 女友達にクラスメート達を任せ、ハリーは唯一の手がかりである校舎裏のさびれた鐘楼にもぐりこんだ。

 この上に確か——。

 ばさり、と影が襲ってきた。

 とっさにかわす。

 その先を黒いフェンシングの剣先が刺さり、嘲笑するように引かれた。

 漆黒のフェンシングを繰る者は、あいつしかいない。

「やっぱりおまえか!」

「ふははは。よくぞ見抜いた、ハリーポッター」

 深く長いヒゲを生やした男がにやりと笑って、手を上げて合図を送った。ここから逃げるつもりらしい。

「待て!!」

「だが、これはどうかな」

「!!」

 男が示した指先を追うと、あの金髪の女友達が塔の上から落とされたところだった。気絶しているのか、悲鳴すら聞こえない。さらわれたのか。

「さあどうするかな、ハリーポッター?」

 男はかき消え、今まさに落ちてくる彼女とハリーポッターだけが残された。

「くっ」

 ハリーポッターは駆け出した。彼女は絶対に受け止める。受け止めてみせる。



ここで目が覚めた。

(ハリーポッターの設定を知らない私は、家族に詳細を話し、爆笑を買った)

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