第6話 妹

いい加減、さらに甘えるのはやめようかな・・・・


実は、実家にいる頃はさらとはあまり仲がいいとは言えなかった。


というか、両親とはあまり仲がよくない。おかげで、千尋と出歩くことが多く、家にはほとんどいなかった。


家に帰っておいてある夕ご飯を食べ風呂に入り部屋にこもる。極力、親との交流を避けていた。


両親は企業の社長や教師と優秀で、それの血をひいているのか、さらも優秀だった。


小さいころの記憶は曖昧だが、小学校中学校の頃からさらと比べられて過ごしてきた・・・きがする。


比べられることがいやで高校に上がったとき近くの高校といえど実家と学校を挟んで反対方向にわざわざ引っ越した。両親は無関心で一言でOKしてくれた。毎月仕送りをしてくれている程度でもうそれ以上のかかわりはない。


っと、このように妹となんか関わりのない生活をしていた。だから驚いたのだ。


引っ越しを決めた時にさらが一緒にいきたいなどと言い出した時には。


親はもちろん反対した。俺の時と反応違くね・・・?と思ったのは言うまででもないが、優秀な娘がダメダメな兄と一緒に住むことには関心しないらしい。しかし、そんな親の反対を押し切り、ついてきた。

それからだ。徐々に仲が良くなっていたのは。


家事はその頃から始めたさら。まるでエロゲのようなよくできた妹。シスコンをこじらせたのもこの頃からかもしれない・・・すぐに家事をマスターしたさらにすっかり頼り切っているひろはさらがいなければ生活できないといっても過言ではないレベルであった。


「はあ、俺ってダメダメだよなあ・・・さらに頼りっぱなしだよ・・・さっきだって・・・抱きついたりして・・・この世界にきてからは俺がさらを守るってきめたのにな・・・頑張らないと・・・いけねえよな・・・よし。」


「もういいかね?修行を始めたいのだが。」


「あ、すみません、もう大丈夫です。始めてもらっていいですか?」


そう、ここは修行の場。切り替えなければならない。前回みたいにいかないように・・・


・・・ん?前回?なんで今前回なんて思ったんだ?


前回なんてないはずだ。これが初めての修行のはずだ・・・ズキンッと頭が痛む。


これ以上考えないほうがいいかもしれない。今は目の前の敵に集中しよう。


「では・・・サモン。ゴーレム!」


ゴーレムか・・・今度こそ・・・


まただ。また・・・


頭を振り、考えないようにした。


「うおおおおおおおおおおおお!パワーブースト!ライトスラッシュ!!」


攻撃力増強からの飛び上がり剣に力をこめ、光の力を宿しそれをゴーレムに向かって飛ばす。


光の刃がゴーレムに向かって飛んでいく。見事に真っ二つになったゴーレムは消滅した。


「やりますね・・・いい連携攻撃です。では次は・・・サモン。ドッペルゲンガー」


自分とそっくりの形をした影のようなものが現れた。闇・・・属性だろうか?


「ライトソウル・・・!ダッシュスラッシュ!」


剣に光の力を宿し、グッと構え走り剣を振り下ろした。


真っ二つになった俺の影。


「やったか・・・!?」


やったかはフラグ。そう、二次元で習った。真っ二つになった影はくっつきそして・・・俺の口の中には

いってきた


「うっおごごごっなんだ!?何が起こって・・・・」


ドクンッ胸が・・・脈を打ち始める。激しく。激しく。


「ハァッハァッ体が・・・勝手に・・・!」


腕に持った剣が俺の喉元を突き刺そうとする。必死に止めようとするが動かない。


「っちくしょう・・・・俺の体だ・・・お前の・・・!好きになんか・・・させねえ・・・!!」


必死にもがく。もがく。もがく。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


剣にライトソウルを宿すような感じで体に力を入れる。そのとき、体が発光し、


「ウガアアアアアア」


体内から影が消滅したような感覚があった。


「やった・・・んですかね?」


「あぁ、ドッペルゲンガーを倒すとはな・・・ふむ・・・なかなか。少し、休憩しようか。ステータスでも見ながらちょっと休もう。」


ひろ プレイヤーレベル 20 熟練度8

職 ソウルマスター

サブ職 なし

ステータス

HP 750

マナ 0

攻撃力215

守備力200

素早さ75


「あ、熟練度マックスじゃないですか?これって。また転職できるんですかこれって」


「あぁ、そうだな。そうなるな・・・どうする?どれにする?」


「うーん、このブレイカーってなんですか?」


「まぁ、これも近接系だな。ファイターの上位互換と思ってもらって構わない。ソウルマスターみたいに、なにかを剣に宿して戦うってわけじゃないんだ。攻撃力特化のものだな。

それを超えたものはソウルブレイカーだ。これもまあ中級職ではあるが、ソウルマスター、ブレイカーをマスターしなければなれないからな。ブレイカーでもいいんじゃないか?物理攻撃は有効とは一概には言えないが、ソウルを宿し、攻撃力もある。攻撃の幅が広がるはずだ。」


「じゃあそれにします。目指すはソウルブレイカーですね・・・!」


「そうだな・・・頑張ってくれ。」


ひろ プレイヤーレベル20 熟練度1

職 ブレイカー

サブ職 なし

ステータス

HP 1200

マナ 0

攻撃力 700

守備力 300

素早さ 100

+限界突破


「おぉ・・・?おぉぉ!?結構上がるもんだな・・・ん?限界突破?」


「限界突破・・・リミットブレイクだな。ステータスが読んで字のごとく、限界を突破するんだ。

基本職と中級職の限界も違うわけだが、この限界突破がつくとグーンとステータスが伸びるんだ」


「じゃあもっと強くなれるわけか・・・よし、次いこうぜ!」


それから俺はモンスターを倒し続け、熟練度マックスまで上り詰めた。


ケルベロス、グリフォン、ケルピー、オロチ・・・


どれもRPGではおなじみのようなキャラクター。きまって弱点も同じようなものだった。

そして・・・


ひろ プレイヤーレベル20 熟練度8

職 ソウルブレイカー

サブ職 なし

ステータス

HP 5514

マナ 0

攻撃力 4500

守備力 3590

素早さ 400

+限界突破、+ガードブレイク、+超限界突破、ソウルブースト


「おぉ・・・、おぉぉ・・・お、おう。俺TUEEEEEE!!展開キタコレか!?」


「よくここまでがんばったな・・・で、どうする、続きは・・・」


「まだこの上もあるのか・・・でも、いいよ。みんなが待っているに違いない。いこう、ダンジョンへーーーー」


おそらく待っているのは・・・アイツ。なんでか知らないけど、モンスターの倒し方、展開にデジャヴを感じていた。だからわかる。きっとダンジョンのエリアボスはアイツ。


今度こそは・・・・


さらを守って見せる

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