第4話 エリアボス
ヒュンッ
っと・・・ここがダンジョンか・・・鍾乳洞みたいな感じなんだな。暗いし。目が慣れるまで歩かないほうがよさそうだ。
「・・・様。・・・ろ様。聞こえますか?ひろ様」
「んお・・・?アリスさんの声が聞こえる・・・なんだこれは?」
「今ひろ様の脳内に直接語りかけています。緊急事態です。エリアボスが外部の者に倒されています。
どうやらその外部の者はあなたたちをこちらの世界に送り込んだものらしいのです。武器防具と回復アイテムなどをそちらに、そしてあなたの仲間たちもそちらに転送しました。千尋様だけはまだ修行が終わっていないので終わり次第転送します。エリアボスとなってしまった今その魔物を倒さなければなりません。仲間と協力し、エリアボスを倒してください。」
「アリスさん、昔の俺らとは違います。今ならきっといけるはず・・・!リベンジマッチだ。まかせてください」
「わかりました、ではがんばってください。お気をつけて。とくにひろ様は。」
「え?」
アリスさんの声は聞こえなくなってしまった。とくに俺は気を付けろ?これでも中級職だぞ?みんなもこんなレベルだよなきっと。うん。
「っと・・・武器防具とアイテムはこれか・・・」
転送されてきたものを物色する。修行用武器とは違う本格的な剣と鎧や兜。そして回復アイテムがはいっていた。
「アイテムとかは転送されたけどほかの連中は・・・まだっぽいな。たいまつがはいってたし、少し探査をしよう。」
たいまつに火をつけ、あたりを見回す。今のところこっちの世界にくる原因のあいつはいないみたいだ。
しかし、なにもいない。物音ひとつしない。嵐の前の静けさ・・・
「ダンジョンっていうからもっと魔物が出てくるものかと思ったんだがなあ・・・そんなことはないみたいだな・・・!!なにかが・・・くる」
羽を羽ばたかせる音が遠くから聞こえる。岩陰に身を隠し、そちらの方向を向く。
「どうやら、あいつらが無事にこちらにこれたみたいですねえ?うふふwどんだけ強くなったかしらん?」
あいつだ。このオカマじみた声。あの時は姿がはっきり見えなかったが今は見える。翼、大きな鎌を持ったデビルのような恰好だ。
「うふふん♪そこにいるのね?でてきなさーい!わかっているのですよ?そこにいるのは」
なんでわかった!?なんでばれた?火はおいてきた。のになんで!?おおかたの場所はわかってもピンポイントになんて・・
「よお、久しぶりだな・・・現世ぶりだぜ。昔の俺とは違うぜ・・・!!しかし、なんで俺のいる場所が
わかった?」
「ふふんお久しぶりボーヤ。これでも仮にも魔物だわぁん?気配探知能力くらいあるわぁんあれぇ?ボーヤ一人?ものたりないわねえ・・・エリアボスなんか口ほどにもなかったから楽しませてくれる・・・かしら!?」
大鎌を構え飛んできた。いける。目で追えてる確実に強くなってる!
「ライトソウル!わが剣に宿れ光の力!うおおおおおおおおおお!!」
スカッ
・・・
・・・
えぇぇぇ・・・
「もう、バカねえ?飛ぶことができる私に近距離のあなた。なにができるっていうのかしらん?これでおねんねなさーい!デスサイス!!」
大鎌を振り鎌からでてきた黒い衝撃波のようなもの。やべえ、近距離・・・もしかして死ぬ・・・?
あっれ俺よっわ・・・結局なにもできねえのかよ俺ってば
「ひろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!アイアンウォール!!大丈夫か!?ひろ!」
「空!!それに委員長!さら!転送されたんだな!!」
「ええ、間に合ってよかったわ。死にそうだったじゃないのひいら・・・ひろ君。」
「お兄ちゃん大丈夫!?ヒール!!」
おお、さらまでこんなに立派に・・・
それにしてもみんな俺と装備が違うっていうかなんか雰囲気が違うっていうか・・・俺が想像してたのと違うっていうか・・・
「話はあとだ!こいつを片付けよう。ようやくここにきてあんときのお返しができるんだ・・・一気にいくぜ・・・!」
「ええ、そうね。あの時のカリを返させてもらうわ!!サモン!グリフォン!」
「みなさん頑張ってください!パワーブースト、ガードブースト、スピードブーストエンチャント!」
「おっしゃこっちだバケモノ!!アイアンウォール!ひろ、攻撃は頼むぜ。グリフォンも!!」
「あらぁん?あららぁん?お仲間参上だわぁん?それに・・・っぷwグリフォンwwwwさっき私が倒した雑魚じゃないのかしらぁん?・・・がっかりだよ」
鎌を構えたかと思うと薙ぎ払う。さっきの俺同様に衝撃波が。グリフォンが真っ二つに。空のシールドを突き破り壁まで空を、そして俺を吹き飛ばした。
「お兄ちゃん!空さん!ヒールオール!!」
回復魔法をさらがかけてくれても傷口がふさがらない。血が流れ続ける。また負けるのか俺たちは・・・?
「まだよ!サモン!オロチ!お願いオロチ。あいつを焼き払って!」
4つの頭をもったバケモノが4つの口から炎のブレスを吐き出す。が、しかしそんなブレスもいとも簡単に大鎌で切り裂く。・・・・格が違う。違いすぎる。ちょっと修行しただけで勝てる相手じゃなかったんだ・・・・慢心しすぎてたか・・・
「つまらないわねえ・・・もう一人ボーヤがいた気がするけどまあいいわぁん?お開きね。今度死ぬともう復活はできないわよ?呪文かなんかじゃないと。ね。ちょっとはマシになったと思ったのにちょっと呪文使える程度で強がってちゃダメダメよ」
「ちょーーーーっとまった。俺を忘れるなあ?まだいるぜえ?ここになあいやあ遅れてすまんすまん。がんばりすぎちゃったようんw」
「千尋・・・そいつは強すぎる・・・逃げろよ・・・お前だけでも。助かってくれ」
「はあ?あっはははははははw死にそうじゃんお前らwwwwwなにやってきたんだよwwwww修行はwwwwwww」
「うるさいガキだわねえん?さっさと逝きなさーい!」
「うるせえのはそっちだよオカマ。風壁。」
ガキンッ奴の大鎌を防いだのは千尋の周りに現れた防御壁のようなもの。シールドすら貫くあの攻撃をガードするなんて・・・
「うっはwwwよっわwwwそれだけなんオカマさんwwwww修行の時に戦ったやつのがつよかったぞ?お?」
え?今なんて・・・あいつよりも強いやつと戦ってたのか千尋は・・・!?
「ふふんw通常攻撃防いだ程度でいい気にならないでほしいわぁんいくわよ・・・デスサイス!」
「気を付けろ!千尋!」
「あっはははははwモブな俺が主人公昇格の巻~あんたら本当に修行してきたのかよお特にひろ!お前とびぬけて弱いwwwwww」
「いいから前向けってば!!!」
「うるせえよモブwww風壁」
またもガード。あいつもたいがいだが千尋もまた俺らとは格が違う・・・いや、次元が違う違いすぎる強すぎる
「攻撃してこないのかしらん?防御ばっかじゃ勝てないわよん?」
「お前一発でノシりそうだしなあ?どうしようか」
「なめた口をきいてくれるじゃないのおおおおおおおおおおおおおおおおお」
鎌を振りかざして突進してくる。なんであんな余裕そうなんだ千尋は・・・
「しょうがねえなあ・・・みせてやるよ俺の魔法・・・アリスたんも修行させてくれたおっさんも驚いて
たねえ?最後はおっさんが相手してくれたけど口ほどにもなかったけどねwwww・・・雷帝」
雷帝。そう千尋がつぶやいた瞬間、あいつの上空に巨大な魔法陣が浮かび上がり無数の雷を落した。
「んぎゃあああああああああああああああああああああああああおごごごごごごごごごごいぎいいいいいいいいいいいいいいいんほおおおおおおおおおおおおっああああああああああああああああああああああああんっ」
「きんもちわりい声出すなよきめえ・・・氷帝」
ピキンッ氷の中にやつを閉じ込めた。なんて強さなんだ千尋・・・
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんあああああああああああああああああああああああ!!!
はあはあ・・・・はあ・・・やってくれるじゃないのん・・・ボーヤ・・・」
「お、すっげえなオカマ。修行場のやつらでもワンパンレベルだったのに」
「なめてもらっちゃこまるわあん・・・たかがマジシャンなんかにまけないわぁん」
「マジシャンなんてザコジョブじゃねえよ俺は、唯一の上級職の冒険者だ。召喚術を極め、魔法をも極めた。サモンアークメイジ」
「うふっうふふふっふふふふふwおーーーーーーーーーーーーーっほっほっほっほっほようやく骨のある
やつにであえたわあん私も本気を出さなきゃこれは負けそうだわね・・・真の姿みせてあげるわあん・・・ふんっ!」
地面におり、鎌を捨て力を入れる・・・ひょろっとした体形から黒く毛が生え筋肉質の体に1mちょいのあいつが3m近くでかくなった。今までとは違いすぎるその魔力の量そしてビリビリと伝わってくるプレッシャー。こんなのにかてんのかよチートかよ
「ほお・・・やるじゃねえの。じゃあ、サモン。」
「召喚されたペットなんか使い物にならないわあん雑魚よ雑魚」
体形が肉肉しくなったせいか声が野太くさらにきもくなってるし・・・
「あんないいんちょの雑魚召喚と一緒にすんなよ俺の召喚は魔法と絡めた召喚ができる。
とりあえずこいつでどうだボルケーノドラゴン」
火山のような大きな体にマグマがながれているさっきのオロチなんかとくらべものにならない大きさとプレッシャーを放つドラゴンだ。委員長の召喚とはレベルが違う
「そういえば名前をきいてなかったわねえ?私はマチルダ。ボーヤは?」
「俺は千尋だ。いくぜマチルダ。サシの勝負。お前とならいい勝負ができそうだぜええええ」
「うふふふんw受けて立つわあんいくわよお?」
----アリス様、なんなんですかあのマチルダっていうバケモノは・・・それに千尋様のあの力・・・
なんであのようなやつがこんなところでウロウロしてるのかわかりません。そして、千尋様・・・
上級職だとは聞いていましたがあのマチルダと対等にやり合えるとは・・・彼は一体なにをしたのでしょうか。修行場から出てこないと思ったら皆殺しにしたら出れなくなったなどと・・・・彼の身に何が起こってなにがあそこまで彼を成長させたのでしょう。現世にはもう戻れないというのに・・・
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