第3話 修行、そして冒険へ
「一緒に冒険できるとは限りませんとは・・・ね?」
「ん?何か言ったか?」
「いえ、なんでもありません。」
いまアリスがなにか気になることを口にしたような気がする・・・。
まぁ、いいか。きっとそれほど重要なことではないんだろう
「では、あなた方はこれから修行にはいってもらいます。職によって適正な修行になりますので、みなさんバラバラということになります。それでは・・・いってらっしゃい」
「え、ちょ、まってって!!」
アリスを止めようとしたとき、視界が暗くなった。数秒後、パッと明るくなり、別の場所にとばされていた。闘技場のような場所だな・・・これがファイターの修行場所か?
「お待ちしておりました。ひろ様。わたくし、あなた様の担当であります者。では早速ですが、修行にはいりましょう。まずはそうですね・・・適正テストでもしましょうか。武器はこのソードを使ってください。
ファイターは近接攻撃を得意とし、高い攻撃力と防御力がありますが、素早さはありません。タブレット
を開き、ステータスを見てみてください。」
言われたままにタブレットを開き、ステータスを見る
ひろ プレイヤーレベル1 熟練度1
職 ファイター
サブ職 なし
ステータス
HP 100
マナ 0
攻撃力 12
守備力 12
素早さ 5
俺低いのかこれ・・・・?
「どうなんですかこれって」
「普通ですかね。特殊ステータスはないですが、レベル1でのステータスはこんなものです。
レベル、熟練度があがるにつれて能力は伸びていきます熟練度は8段階ありますのでご承知を。
基本職はマックスで100までになります。ある能力に特化した職であればそのステータスを超えることができます。では、ステータスを確認してもらったところで、さっそく修行にはいりましょう。準備は大丈夫でしょうか?」
「あぁ、大丈夫だ。武器のみでいいんだよな?このソードだけで・・・」
「はい、問題ありません。では・・・サモン」
魔法陣が現れたかと思うとそこに召喚されたのは・・・
「・・・なんだこれ、スライム?」
「はい、その通りです。冒険者たるもの、これを倒せなきゃやめたほうがいいレベルのものですので。ではやってみてください。」
ドラ○エにでてきそうなスライムとは形状が違う。どっちかっていうとバブ○スライムみたいなドロっとしてるのか。こっちの世界じゃ。
「なるほどな。スライムはRPGゲームじゃ基本中の基本モンスター。素早さは若干早く攻撃はそんなことはなかったはずだ・・・ドロっとしてるから物理は通りにくそうだ。」
とりあえず斬撃を加える。一撃。ニ撃。三撃。こんなにも手ごたえがないものなのだろうかスライムというものは。
「さすがにこれは大丈夫でしたね。では次・・・サモン。今度はウルフです。素早い動きと爪での攻撃に注意してください。」
ウルフか・・・
「これで・・!どうだ!」
ソードを腹の下から一気に上に切り上げる
「・・・ほう。」
ウルフもなんなくクリアできた。こんなにサクサクいっていいのだろうか
「ずいぶんと慣れていますね。これがゲーマーの力なのでしょうか?では今度は・・・サモン。魔術師。」
呪文を得意とする系のやつか。遠距離攻撃とデバフ攻撃に注意か・・
「ここは一気にたたみかける・・・!」
「そう一枚岩ではいきませんよ・・・?」
魔術師が詠唱をし、呪文を唱える。火球だ。
「よっほっちぃっ連発できるのか・・・近づけねえな。てやあああああ!!」
火球を斬りにかかった・・・が。
「ぐあぁぁ!?っくそ、やっぱ無理か。そううまくはいかねえ・・・よけつつ攻撃していくしかねえみて
えだな・・・詠唱するのに数秒時間がかかるが、クールタイムもあるみてえだな。連発はできるけど時間制限はあるって感じか・・・なら!」
クールタイム。それは呪文を使う者に存在するもので、強力な魔法を使うとこのクールタイム・・・スキルが使えない時間が長くなる。
「真一文字・・・!」
魔術師を真っ二つにし、なんとかクリアすることができた。
「なかなかやりますね。レベル3まではクリアと・・・。」
「まってくれ、ちなみにこれはどのくらいまでレベルってのがあるんだ?」
「そうですね。あなたがやられるまででしょうか。動きや剣さばきをみていると熟練度はすぐ上がりそう
ですね。中級職に転職がすぐできそうです。」
「なるほど。じゃあどんどんいこうぜ!」
次の敵は・・・だいぶつらくなってきたな。多少の休憩はできるものの連戦はつらい・・・
「次はゴーレムです。」
一気にレベルあがってんじゃねえか!?ゴーレムか・・・物理が通りにくいタイプのモンスターだな。防
御力を下げるような呪文を使うやつがいれば楽なんだがなあ・・・
「だが、ゴーレムは動きがスローなはずだ・・・さっきの魔術師に比べれば・・・!!」
後ろに回り込み、斬撃を加える。
「っくそ硬ってえどうやってたおすんだよこれってうおおお!?」
腕を振り回してきた。こいつ、関節ってのはねえのかよ背後にいる俺に攻撃を・・・
「ッッ!?ぐおぉぉっカハッ」
一瞬の隙を突かれ右ストレートが俺の腹に刺さったこの鈍器で殴られたような痛み・・・防具もなしでこんなん・・・
「うぐぅ・・げほっげほっおぇぇぇっはあ・・・はあ・・・」
まさかゴーレムに腹パンされるとはな・・・参ったぜ・・・どうせなら幼女とかにry
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
なんとか立ち上がり斬撃を加える。加える。加える・・・・しかしはじかれる。あっれ?おっかしいな・・・ゲームの中じゃ俺つえええええええええええええ!主人公無双が当たり前だと思ってたんだけどなあ・・・
「す、すまん、参った。もうだめだ。勝てねえ。無理だ。」
「おや?降参ですか。まあゴーレムはちょっとつらかったかもしれませんね。お疲れさまでした。回復を
しましょうか。・・・ヒール」
「おぉ回復もできるのか。ファイターってそう考えるとあんま取柄が・・・うっし。ありがとよ。」
「いえ、レベル3までできたことですし、ステータスプレートをみてみましょうか。
ひろ プレイヤーレベル4 熟練度3
職 ファイター
サブ職 なし
ステータス
HP 130
マナ 0
攻撃力 30
守備力 41
素早さ 5
+早熟
「よかったですね。早熟がつきましたので熟練度が上がりやすくなります。これからも頑張ってください。」
それから俺はゴーレムは倒せはしないが、スライム、ウルフ、魔術師で経験を積んだ。そしてステータスはこうだ。
ひろ プレイヤーレベル14 熟練度8
職 ファイター
サブ職 なし
ステータス
HP 259
マナ 0
攻撃力 150
守備力 150
素早さ 12
「お疲れさまでした。熟練度マックスおめでとうございます。中級職の転職が可能になりました。
あなたの場合ファイターからの派生になりますのでこちらに転職できます。ソウルマスター、ソードマン、パラディンですね。ほかの基本職をマスターすることによって職の幅は広がりますが、どうしますか?」
「いや、いいよ。俺はソウルマスターを選ぶ。」
「ソウルマスターですね。これは元素の力を借りて相手の弱点をつきながら攻撃ができる職です。先ほどのゴーレムだったら弱点は水。アクアソウルで倒しやすくなる・・・という形です。」
「物理は物理なんだな・・・もうちょい幅が広がると思っていたが・・・まぁ、中級職だ。基本のにくらべりゃ多少は強くなってるはずだ・・・
ひろ プレイヤーレベル14 熟練度1
職 ソウルマスター
サブ職 なし
ステータス
HP 500
マナ 0
攻撃力 150
守備力 150
素早さ 50
増えたのHPと素早さだけえ・・・まぁこんなもんなんかな。
「中級職にもなりましたので、修行はここまでとさせていただきますが、この後は試験になります。ダンジョンへワープさせますので、そのダンジョンのエリアボスを倒してください。エリアボスを倒すことができれば修行は終了。ということにします。」
「おう、そうか。いろいろありがとうな。ちなみにさ、仲間とはいつ会えるんだ?この修行が終われば会えるのか?」
「わかりません。多重並行世界とでもいいましょうか。同じ世界ですが、チャンネルが合わなければ仲間と会うことはできない。今、ここにだって違うチャンネルで仲間が戦っているかもしれません。
そうですね、仲間を思う気持ちとかそういうのがあれば運命のめぐり合わせがあるかもしれませんね。」
「そうか・・・今はじゃあ会えないかもな。わかった。ありがとうな。じゃあダンジョンに頼むぜ。」
「はい、いってらっしゃいませ。では・・・・テレポート。」
ヒュンッ
「あの方がソロであのエリアボスと対等にやり合えるとは思いませんね・・・アリス様との情報によるとほかの方が強すぎる・・・。上級職まで行ったものもいるみたいですね。さあ、今後が楽しみです。
ん?通信・・・なんでしょう?アリス様・・・ええ、はい、今ひろ様はダンジョンへ向かわれました。
え?エリアボスが・・・?なるほど・・・興味深い。早くもご対面ですね・・・・はい。では。
あなたはこの試練に打ち勝つことができますでしょうか・・・ふふふ・・・楽しみです。」
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