第24話 ヤッバーい。
ドアの中は倉庫の様だ、そして突き当りに階段がある。
「階段、暗いけどサングラスで見える?」
前を歩く
「これで普通の人と同じくらいたぶん、でも色があまり分からないの」
「あっそうか、世界がいつもサングラスの色になってしまうのか」
階段を二段上がったところで振り向いて私の進み具合を確認。
「大丈夫ですよ、でも暗くなれば昼間の様に見ることができるの、夜だってほんとはとってもカラフルなんだよ、その時間は私だけのモノなの、ってこれじゃあ闇のなんとか見たいですね」
二階に上がると建物の一番端だからさっきと逆向きに
「実は僕も夜目が利くんだ、面倒だから誰にも言わないけど」
「へーそれじゃあアオキさんの秘密を知ってるただ一人が私か」
「残念ながら姉も知ってるから二人、あ、医者も知ってるから三人かな」
「身内と医者は例外です、除外しちゃって構わないのです」
「なるほど例外ね」
階段を上がって店の表の方へ進む。
「この部屋に準備をしているので、入って」
「はい、(部屋に入って)あのいつもと話し方が違う様ですけど」
アオキさんがドアを閉めて。
「実は
「いえ構いません、他人だときっと面倒な事になると想像付きます、だったら私も妹的に喋らないと不自然ですね、と言ってどんな話し方をすれば良いのか、やっぱりお兄ちゃん、あるいはお兄さん?」
「お兄ちゃん、んーいいな、じゃあ僕は杏と呼んで良いかな」
「うん、あー嬉しい、あっでも今日限定なの」
「いやいつでも、その方が打ち解けられるし」
「うん分かった、お兄ちゃん」
「それとね、近づくと逃げるのも不自然だから」
「えっ、いやそんなつもりは、あーやっぱり照れちゃって、ごめんなさい」
「じゃあ少しだけ慣れてくれるかな」
といって60センチほども開いていた二人の間隔をスッと近づいてきて触れそうな程に、私がつい離れようとしたら、左側から腕を回して右肩を引き寄せられて、耳元で
「杏、僕に任せてくれないか、杏をもっと素敵に輝かせたいんだ」
(えっ、ちょっと、近いです、唇が耳にくっ付いちゃいそう、嬉しいけどちょっと怖いかも)
「あ、あの私、可愛くも綺麗でもないから、輝くなんてムリ、無理です」
「大丈夫、杏はルビーの原石、だけど僕が魔法をかけて僕の一番好きなレッドスピネルに変えてみせるよ」
(それってお兄ちゃんじゃなくて、完璧に口説かれているんですけど)
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