第8話 意外な事実
【すいません只今編集中】
ソファで気が付くと外が明るかった、手探りでサングラスを探しあて顔に掛ける。
ピポーン、ピンポーン。
そっか、この音で値が覚めたんだ、随分待たせたのかもしれない。
急いで玄関に向かう、
(逃してなるものか)
玄関を開けてニッコリしたはずなのに、、、
気が付けば彼にお姫様だっこされてリビングに運ばれていく途中だった。
「あ、あの、、、」
「あ、まだ具合が悪かったのですね、すいません起こしてしまいまして」
「い、いえまぶしくて、ゴーグルしてなかったから(降ろしてください)、、、」
恥ずかしくて
「もうリビングです、ソファに降ろしますから」
「ごめんなさい、あれから目を覚してなかった」
ソファの上にそっと降ろしてもらう。
肩から引き抜く彼の左腕をまたまた取ってしまった。
「あ、あのあの、、、お、起こして下さい」
無意識に手を取ってしまって何とかそれらしい言い訳を口にする。
(ああまたやってしまった、近づくと離れたくなくなってしまう)
今になって気が付いた、彼の反対側の手にはビニールの買い物袋。
「あ、あの」「あの」二人同時に。
「あ
「えと、起こしちゃってすいません、具合悪かったんですね」
「いえ、私ケガとかするとすごく眠くなるんです、その代り目が覚めると怪我は治ってます、きっとけがの治療に体力全部使っちゃうんだと思います、えと買い物有ったんですね気が付かなくて、あどうぞ座ってください」
できれば横に座って欲しかったけど、そうなると朝から自分がストーブ状態になるから、いまは向かいで我慢しておこう。
「総菜屋さんて珍しいのかな、そこの弁当を買って来ました」
私の前に置いてくれる。
「あ、そうだ昨日の」あたりを見回す。
「食べ物冷蔵庫に入れてます、と書いて置いておきました、よく眠っておられた様でしたから」
「す、すいません全然気が付かなくて」
冷蔵庫をあけてみる、昨日と変わりない、お母さんが食べたに違いない。
「お母さんが食べた様です、あのおいくらでした?」
「とんでもない僕のせいですから、良くなるまで面倒見させてください、お詫びと言うことで」
「えっでも」
「だめです、これは怪我をさせた者の義務です」
「は、はい、そう言われるなら」
「それじゃあこれ食べてください」
「ありがとう、ここのお弁当おいしんです」
「良かった、喜んでもらえて」
「あっそうだお茶、ハーブティー飲まれますか?正確に言うとその辺に生えてる草のハーブ風ティですけど、そう言っちゃうと不味そう、飲みます?進めてない気がする」
「ハーブティ好きですよ、元々草のお茶でしょ」
「一応カモミールとか植えてみたんですけど、いろんな草がカオス状態に生えちゃって、ごっそり収穫するから何のお茶かわからなくなってます」
「それは楽しみですね」
フラスコ型のガラスのポットにお湯を沸かし火を止めてから、乾燥させたハーブその他諸々の束から一握りむしり取ってポットに入れる、かなりアバウト。
カップを並べて、、、
(青鬼さん食べてきたのかな)
「青鬼さん、何を食べてきましたか」
「食パンと牛乳と野菜ジュースのミックス」
「それじゃあ少ないですよ、お弁当一緒に食べよう」
途中から言ってて恥ずかしくなり下を向いた、顔が熱い。
「ごめん、カロリー制限が有って次はお昼です、何か作りましょうか」
「えっ、えっとピラフ、じゃなくてカロリー制限?そんな風に見えませんけど」
「バイトで客先を回る時見本を着ていくんです、体形が良いと時給が上がるんです」
「わっシビアって言うかそんな販促が有るんですか」
「はい、ともかくお弁当を」
「そうですね、いただきます」
ハーブティーを二つのカップに二回に分け注いで、
「味見です」
自分で味を確かめてから青鬼さんの前に置く。
「粗茶、粗粗茶ですが」
「粗粗茶、いただきます」
食べ始めるが正面から見られていると恥ずかしい、
それに、、、それに。
「食べてる時の私の顔を見てはいけません、目が合うと石になってしまいますよ」
「どうして」
「食べているときの私はメデューサ、理由は秘密です」
「それは怖い、横を向いてます」
「それも(いや)、半分だけ見ていいです」
「、、、」
「わたし口が大きいのとんでもなく、普段は隠しているけど食べるときは自然に大きな口になってしまう、笑って口を開けば口裂け女に変身できます」
「メデューサでなくて」
「どっちにしろ見たら石のように固ります、魔物ですから」
青鬼さんははにかんで。
「それは楽しみです、正体を見てみたい」
反則技の笑顔、別の意味でこの人も魔物、目に魔力が宿っている、 一瞬で心を奪うドラキュラ伯爵の様に。
「それは、、、簡単にはお見せできません、ステーキとか食べる時には見境が無くなるから、お肉を与えてはいけませんよ野獣になります、危険です」
「あー、それは、、、危険ですね、実は僕も同じです、人間忘れてしまいます」
二人してクックックと押し殺すように笑った。
もう背中は痛くなかった。
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