第6話 赤鬼と青鬼、と。
「うわっと、ちょ、ちょっとほめ過ぎ、ゴーグル付けてる変な奴なんだから、えっ、えとアキブって赤鬼が舞うって書くんですよ、だから小さい時から赤鬼って呼ばれてたんです」あわてて話題を変える。
「ああそれで赤鬼なんですか、僕は青鬼と書いてアオキです」
「
途中でおじいちゃんが
「なんですと、
「この青空市ですが青空市駅の市役所の辺りです」
おじいちゃんもこっちへやってきて、
「そうですか、血液検査をしてみる必要が有りますな、そう言えばケガが早く治るとおっしゃってましたな、名前の方は」
「
「ちょっと待ってください」
そう言って事務机まで戻りノートを持ってきてページをめくる。
「ああ、名簿にはありませんな、ご両親の名は?」
「父が
(えっおりましたって、今はいないって事?)
「月姫、、、また不可解な、確かに
鋼さんは鬼の話はご存じない様ですな」
「聞いたことも有りません、両親はぼくが小さい時に事故で他界しました、龍之介のことをご存じなのですか」
おじいちゃんはノートを確認しながら、
「
「そうですか青空高校に、それ以外は分からないのですね」
「すいませんな、どこからか来られたと噂を聞いて青鬼さんならおそらく鬼の血ではないかと思い連絡したのですが、何故か半年ほど後に電話した時には電話がつながらず、家を訪ねた時には空き家になっておりました」
私が口を挟む。
「鬼の血を知られたくなかったとか」
「いや鬼の血だからと言って脅迫されたことなど一度もない、世間的にはDB型と呼んでおるしな」
「DB型?そんなの聞いた事もないけど」
青鬼さんが、
「引っ越してきて一年も経たずまた引っ越しをしたって事ですか」
「そうですな」
「父が青空高校と分かったのはどうしてですか」
「その一家のことが分かったのが龍之介さんの先生が、兄がやってる町医者に掛かり怪我が妙に早く治った生徒がいて驚いたと聞いたそうで、その子の名前と親の名前も教えてもらった様です、その頃は個人情報なんて気にもしていなかったですから」
「そうですか、直接会った訳ではないのですね」
大した情報もなくて青鬼さんはガッカリした様子。
おじいちゃんの診療所を出て、
「青鬼さんうちで夕方まで待たれますか」
いまは四時過ぎお見舞いに行くのは七時過ぎてからだろう。
「あ、バイク見てきます、修理屋に頼んだのですけどどうなっているか、それとお見舞いの物何か見てきます」
「そうですか、早く終わったらうちに来て時間つぶしてください」
「ありがとうございます、でも迷惑じゃないですか」
私のこめかみ辺りがぴくぴく引きつる、言葉に力が入る。
「迷惑なんてとんでもない、このまま放って置かれる方が、、、い、いえ、かならず来てください、お話ししたいことが」
(まずい、余計なことを口走ってしまった、まだ脳が半分閉じている様だ)
「分かりました、ケーキでも買ってきます」
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