第38話 そういうことに、なりますね

少しずつ、少しずつだけど、頭にかかったモヤモヤが晴れていっている。

今朝目が覚めてから、二日酔いのような激しい目眩がして、それから今ようやく意識がはっきりしてきた。

どこか夢心地のままフィロちゃんを殺そうとしてしまったけど、それも未遂に終わって、少し気が落ち着いてきた。

自分でも不思議なぐらいに魔王様を殺したくなって(いや、今も殺す気はあるんだけど)、ただただ衝動的に、何も考えられないぐらい気持ちが揺らされた。

気分が悪い、とても不愉快。

お兄さんに感情をいじられたのもそうだけど、人の気持ちを好き勝手弄ばれて、気分がいいものではない。

あぁ、誰でもいいから刺したい。

しかし状況はとても、そんなことを許してくれそうにはなかった。


「いやだから、ちょっとしただったんですよ!朝御飯何にするかでもめてて、それで・・・」


はぁ。とため息をひとつ。

現在私とフィロちゃんは、ゴルトニアの、その中でも取調室という名前に相応しいであろう部屋に収められ、二人並んで、呆れ顔の若い衛兵から事情聴取を受けていた。

アーヴェインというあの女性は、この男性の衛兵にいくつか耳打ちすると、自分だけさっさとどこかへ行ってしまい、今はここにはいない。

呆れ顔といえば、私も同じ。というのも、フィロちゃんがあまりに正直な人物ゆえである。


「で?そんなことで同居人のお腹に屋根の一部を突き刺しちゃったわけ?」

「いやそれもたまたまで、足元の屋根が壊れてズサーッて落ちてそれで・・・」


こんな感じで、10歳児でも口に出さないような嘘を、かれこれ30分も話している。まるで嘘が、下手だ。

これで誤魔化せると本当に思っているのならこの子はもしかしたら・・・いや、疑う余地もない。この子はアホなんだろう。


「えーっとつまり、幼馴染みと昨日からこの街に遊びに着ていて、旅行一日目から朝食の趣味があわずにケンカになり、うっかり扉と間違えて宿の窓から脱出した後、観光がてら屋根を歩いていたら、街路を歩くパートナーの元に偶然崩れた足元の屋根が刺さったので、慌てて病院を探してたらうっかり外壁を越えてしまっていた、と」


小馬鹿にしたような半笑いの衛兵に、フィロちゃんははっきりと、まっすぐ眼を見開き応える。


「そういうことに、なりますね」


なるか。

なぜこんな堂々とした顔ができるのか甚だ疑問ではあるが、一方の衛兵はというと、やはりまるでなにも信じていないようだ。頭を掻きながら、苦笑いを浮かべている。


「フィロちゃん、もう無駄ですやめましょう。・・・衛兵さん、この子が言っていることは嘘です」

「知ってます」


ピシャリと答えた。答えられてしまった。


「私たちは実は大道芸を生業としておりまして、いわばイリュージョンの類いを、許可なしに街道で披露していたわけです。しかし正直、失敗しまして。それもこの子のミスでうっかり殺されかけたので、こんな下らない、稚拙な嘘をついたわけです。恥ずかしかったのでしょう。答えからいうと、揉めてないと言えば嘘になりますが、殺しあっていたという事実はありません」


これも大分苦しい嘘ですが、さっきよりマシだろう。・・・マシ、だと思う。


「え、いやメアリンッ!?」


なにかまた余計なことを言おうとしたであろうフィロちゃんの唇めがけ、


「んんん!?!?」


私は強引に唇を重ねる。


「ん、ん!」


・・・柔らかい。


「・・・ご覧のとおり、私たちは恋人の間柄でもあります。殺し合うなんて、もっての他。的外れというものですよ」

「・・・」


フィロちゃんはオーバーヒートしたマシンのように真っ赤になって固まり、衛兵の方も、ポカーンと口を開けて停止している。


「派手なパフォーマンスをしたことは謝罪します。こんなことは個人的な事情ではあるんですが、今夜も公演の予定がありますので、ここは穏便に済ませて頂けないでしょうか・・・?」


この取調室には他に人はいない。この男性一人だ。


「お願い、します」


ゆっくりと席を立ち、机の反対側に座る衛兵の、男性の方へと身を乗り出す。

私の身長は残念ながら低めなので、どうしても、前屈みになってしまう。


「あ、いや・・・」


男性は私の胸をチラチラとみる。

動揺したような面構えで、見てしまっている。

そんな男性の手を、私はつかんだ。

そして手を引き、私と同じように前屈みになった男性と顔同士が触れそうな距離でささやく。


「このままどうか見逃していただけませんか?そしたら次会うときには、お金はありませんが、はできるかもしれません」


どうやら、返事に困っているようだ。


「ダメ・・・でしょうか?」


困ったように眉をへの字に曲げ、私と、あと故障したフィロちゃんを交互にみて、席に着く。

そして考えるように腕組をすると、観念したように深くため息をついた。

これは開放の流れ、かな。

アホと無害そうな女性二人のカップルなど、警戒するまでもないと判断しただろう。無理もない、事実、ただの民間人とアホなワーウルフだ。その通り、警戒するまでもない。

さて、早々に疑いも晴れそうなところで、これからどうするべきか・・・

思考を巡らせながら、私はゆっくりと背筋を伸ばす。


「ちょっと失礼するぜ」


ダンディな低音ボイスが私の動きを止める。

面談をしていた衛兵の、その後ろにある扉が静かに開かれ、男性が姿を現した。

ヨレヨレのコートの下には引き締まった黒の正装。衛兵のそれとはまた違う、少し光沢のある繊維の地味ではあるけど整った服とネクタイ。

顎髭を蓄え、銀縁の眼鏡をかけた短髪の中年の男性。


「あぁ邪魔して済まない。俺はディレック・ベルモンド、ゴルトニアでは二位捜査官ってお仕事の気のいいおじさんだ。初めまして、フィロちゃん、だったかぁ。それと・・・」

「ご無沙汰しております、ディレックさん」


少し、驚いた。

私はこの男性を知っている。

ディレック・ベルモンド。

かつて王都で暮らしていた時に男性。仲がいいというわけでも、もちろん友人関係でもない。

ただ、できればもう会いたくはなかった相手であるし、この場でならなおのこと。


「お久しぶりですなぁメアリー先生。いやね?たまたまうろうろしてたら知ってる顔を見かけたもんでね、挨拶はしとこうかと思ってさ」

「アンス所属の貴方がこうして取り調室に来ると、挨拶ではなくて本職にしか見えませんが。それで、何でしょう?お茶でもしますか?」

「いやいや遠慮しとくよ。今の世の中厳しくてねぇ、先生みたいな若い子と一緒に出歩いてるだけで変なことしてるんじゃなかと同僚から睨まれるんだ」

「そうですか、そういうことであれば私たちはもう行きますので。またどこかで」


別れを告げ隣を抜けようとするが、太い腕が扉を押さえ、退室を阻む。


「なんでしょう」

「先生、また王都に居座るのか」


ディレックは冷たい、以前のような声で囁く。


「えぇ、もう少しは。心配しなくてもまた出ていきますよ」

「・・・そうかい」

「もういいですね?フィロちゃん、いきましょう」

「う、うん。えっと・・・失礼します」


ずっと黙っていたフィロちゃんは突然現れた知らない人物にどう接していいかわからないようだった。

私だって、どう接したらいいか、いまいちわかっていなかったんだけど。


~~~~~


取調室から出るとき、周囲の制服を着た人たちは怪訝そうに私たちを見ていた。

一応はディレックさんとかいうガタイのいいおじさんが送り出してくれたし、正式に釈放されたんだと思う。

だからあの怪しむ視線は、ディレック・ベルモンドという人へのものだったのかもしれない。あるいは今まで事情聴取受けていたはずなのに、あまりに堂々としすぎているメアリーさんに対してか。


「すっかりお昼です。ご飯を食べに行きましょうか」


ゴルトニア入口の衛兵に背中を見送られた後、体を伸ばしながらメアリーさんは暢気にそんなことを言う。


「メアリーさんさ、他にいろいろ言うことがあってもいいんじゃないかな」

「それも含めて、ご飯に誘ってるんですけども」

「ちがう。今すぐ言えることがあるはず」

「・・・ごめんなさい」

「なにが?」

「・・・キスしてごめんなさい」

「そ、それは、うん。そうだね、だめだったね。それもそうだけど、いきなり襲ってきて、こんな場所で事情聴取されて、まずはそっちじゃないかなっ!」

「それは申し訳ないと思っていますが、解決もできたからよしとしてくれませんか?」

「・・・」

「ごめんなさい、正直私も気が動転してて・・・本当にごめんなさい。ご飯たべながらこれからの方針を話しましょう」

「うん。わかってくれれば、いい」


珍しくしおらしい姿をみせたメアリーさんに見かけ相応なかわいらしさを感じてしまった。

もう、なんかこういうのずるいな。

さっき取調室で見せたあざとさがなくても、普通に、素直にしていればそれだけで許してしまうかわいらしさ。

こういうのも才能、なのかな・・・


「どうしたんですか?そんな変な顔して。怒ったりにやけたり、気持ちが悪いですよ」

「な・・・!気持ち悪いですって!?もうやっぱりだめ!ゆるさない!」

「ふふ、感情が豊かで、なかなかフィロちゃんもかわいいなぁ」

「なにもおかしくないから!もう!」


せっかく少しだけ許してしまっていたのに、やっぱりこの人こういうところがあるんだよね!

あれこれ文句を言うも、メアリーさんはそれらを軽くいなして、会話のキャッチボールというよりはドッジボールを繰り替えし、私達は城下街へと向かう。


~~~~~


「目が覚めた時点で、頭がかき乱された感覚でした。お兄さんに能力を使われた時に似た、意識が震える気持ち悪さ、何も考えられなくなって・・・」


かぶりを振りながらメアリーさんは朝のことを渋々語る。

本人も不愉快なんだろう、表情は、わかりにくいけどイラついていた。


「もう怒ってるわけじゃないんだけど、なんで私を襲ったの?」

「わかりません。そもそも、気が付いたらあの人に抑えつけらていました。それぐらい、意識も朦朧としていて、断片的に見える情景が何回かフラッシュバックした後、いつの間にか街の外にいた、というところです」


ほとんど無意識的に私を襲っていたんだ。

そういえば王都に行く前にリーダーがメアリーさんの殺意を壊した時、メアリーさんは三日間意識失った。それほどまでにメアリーさんの意識の大半には、誰に向けているわけでもないただの殺意が渦巻き、今回はそれが溢れだしたのだろう。


「私だから狙った、ってことでないなら、私達はまだ仲間だね」

「たまに思いますが、フィロちゃんって本当にハート強いですね」


メアリーさんは苦笑いを浮かべると、紅茶をフーフーとよく冷まして少しだけ口にした。


「それじゃあ、今のメアリーさんはどんな感じなの?」

「どんな感じというと?」

「魔王様のこと殺したいと思う?」

「もちろん」

「そうですよねぇ・・・」

「しかしながら、その方法はまだ思い浮かびませんのでご安心ください。魔王軍をかいくぐり、お兄さんを倒して、魔王様を倒す・・・今の私は最初の段階を通過することすらかないませんし」


メアリーさんはリーダーに出会う前の状態に戻った、ってことか。


「別にリーダーの能力が発動してなくても、普段はわりと、変じゃないんだね」

「変って何ですか。なーんかフィロちゃんは私を勘違いしている節がありますよね。私は基本的に普通のお姉さんで、趣味の時間はそれとしてちゃんと分別しているんですから。やりたいことをただ気の向くままにやる人は魔物や動物と変わりませんよ」

「え、気の向くままに、やってたじゃん」

「わかっていませんねぇ、どんな行動にも作法というものがあるんです。道端で無差別に魔法を放って人を殺すのと、神隠しに合うように人が消えていくことは、結果が同じでもニュアンスが違うでしょ?」

「確かに微妙にちがうけど、悪いことしてるのに変わりはないよね」

「悪いことをしているという実感はありますか、最小限の行動で満足できるようにがんばっているんですから。その辺は大目に見てほしいですね。とにかく私なりに気を遣っているってことです」


本当に気を遣っているのであれば、そもそも、人を殺さないでほしいものだけど。


「話がそれましたね。ともかく、今の私のことは特に気にしなくていいです。そんなことより眼前に2つ、解決しないといけない問題がありますよね」

「リーダーを捜すことと、今日のネガジオとの取引、だよね」

「おや、ちゃんとネガジオのことを覚えていましたか。絶対忘れてると思っていました」

「忘れるわけないでしょ!」


一昨日出会った誘拐犯、その人質を助けなければならない。

あんな幼い子供をどうするつもりか知らないけど、ろくなこと考えていないのは明白。私のことが狙いであれば、あの少女もまだ無事のはず・・・


「しかしですね、忘れていた方がよかったかもしれません。もっと重要なことを、フィロちゃんは忘れていませんか?」


メアリーさんはにっこりと笑う。


「重要なことって?」

「私たちが何のためにお兄さんと一緒にいたとお思いですか?肉奴隷ってわけじゃないんですよ?」

「肉奴隷?なんか怖い単語だね・・・」


非常食、みたいなことかな?


「色々とわかってない顔してますね・・・まぁいいでしょう。いいですか?本来私たちの仕事は、お兄さんのサポートだけでなく、何かがあった時に魔王軍に報せることでもあったはずです。今まさにその時で、どこのだれかもわからない子供のために1日を費やすことなんて有り得ないんです」

「うっ・・・」


そうだ、私たちはレギオン討伐を一緒にすることがメインではなく、リーダーのサポート、伝令が本来やるべきことだ。


「さぁどうしますか?私としては、このまま黙ってお兄さんを見殺しにするに一票ですが。そのほうが魔王様攻略も楽でしょうし」

「だめだよそんなの!」

「それなら、あの人質の少女はどこかに売られるなり殺されるなり剥製にされるなりするしかないですね」

「それも、だめ・・・」

「おやおや?そんな我儘通じるわけないですよ?貴方という人は一人しかいないんです。残念ですが、二者択一です。ちなみに私は、お兄さんも例の少女も、どちらがどうなっても興味はありません。なので期待しないでください」

「そんな・・・どうしようもないじゃん・・・」

「どうしようもありますよ。どっちかを助ければいいんですから。ですがここでもう一つ問題がありますよね」

「まだなにかあるの?」

「なんでもかんでも私に聞いてるようじゃ駄目ですよ・・・しかし今回はフィロちゃんの返答を待つのも時間の無駄なので、答えから言います。どちらの案件もそうですが、どのようにして解決するおつもりですか?この王都からグレルガンドまでどれほどの距離があるか、また、お兄さんのことを伝える方法はあるのか。そして少女の件も、貴方と引き換えにして少女を救う、なんて馬鹿げたことを本当に考えているわけではないでしょうね?」


私が本気で獣人化すれば、魔王城まで移動するなんて簡単だと思っていたけど、本当にそうなのかは定かではない。

それに例の少女だって、私が身代わりになって助けた後、スキを突いて逃げ出すなりネガジオを倒すなりしようと考えていたけど、今思えばあの男に勝てるかどうかすら怪しい。

メアリーさんの指摘は全て正しく、どうしようもなく、私は動揺し始めていた。


「どうしよう・・・?」

「またそれですか。まさかフィロちゃんは、自分はおとぎ話の主人公で、どんな困難も努力すれば解決できると思っていたんですか?」

「そこまでは思っていないけど・・・」

「いいえ、無意識的にそのように考えていたんでしょう。現になんの策もないまま、訳のわからない正義感で、問題だけを積み上げただけです。解決の糸口もなければ、諦める気もない・・・それじゃ何も手にはいりませんよ?」

「・・・」

「なんとか言ってはどうですか」


何も言えない。

今更気づいた。私は何をすべきで、どう行動すればいいかまるでわかっていなかった。

無責任に約束をして、すべて守ることが、できない。


「・・・どっちを助けますか」

「・・・」

「それぐらい、決めてください」

「そう・・・だよね・・・」


だめだ。リーダーの能力が効いていない今のメアリーさんは仲間じゃないんだ。

助けて、くれないんだ。


「・・・泣いててもしょうがありませんよ?どちらか決めてください」


魔王様は私を保護してくれた。リーダーも、私を殺さず連れ帰ってくれた。

ディンだって私を戦えるように強くしてくれた。それに、魔王城のみんなは、優しかった。

あの子のことは心配だけど、今の私には、なにもできない・・・


「・・・リーダーを、助けよう」

「そうですか。どうやって?」

「まずは魔王城の位置を確認しようかな。地図とかですぐわかると思うから、本屋にでもいこう」

「なるほど。その後は?」

「私が獣人化して、走る。手紙を出すよりはそっちのほうがまだ早いと思うし」

「なるほどなるほど。それで私達の任務はとりあえず達成ですね」

「・・・うん」


メアリーさんはこちらの気も知らず満足そうに、ニッコリと笑う。


「そうと決まれば、食べ終わり次第本屋に行きましょうかね」

「そう、だね・・・一緒に来てくれるの?」

「当たり前でしょう。フィロちゃん一人じゃ心配ですし」

「でももう仲間じゃないんじゃ・・・?」

「そんなこと私一度も言っていませんが?魔王様の味方をする気はありませんが、フィロちゃんの仲間ではいるつもりですので」


そういうと、メアリーさんは少し机に身を乗り出し、私の頭を撫でた。

なんでだろう、さらに涙が溢れてきた。

何もうまくいかない悔しさや不甲斐なさに、だけじゃない。

とにかく涙が、止まらない。


「・・・貴方自身の考えが、聞いてみたかったんです。これからは、お兄さんナシで行動しないといけないですからね。自分達で考えて行動しなければならないんです」


涙で濡れた頬を、メアリーさんは優しく引っ張る。


「ちなみに、もしも私がフィロちゃんだったら、もう一度ゴルトニアへ行きます」

「どうして?」

「わざわざ私達が魔王城に伝えに行く必要がないからです。手紙を出せばいいんですよ」

「どれだけ時間がかかるかわからないよ?それに、手紙を出すんだったら国を守る人たちの総本山に行く必要はないんじゃないの?」

「もちろんあそこに配送屋なんていないでしょう。いや、もしかしたらあるかもですけども。ですが、転移魔法を使える人がいたらどうですか?」

「手紙を、転移魔法で送ってもらうってこと・・・?」

「そうです。転移魔法が使えて、かつ、魔王城に行ったことのある人でなければなりませんけど、そんな人に心当たりがあります」

「知り合いがいるの?」

「いえ、私は知り合いではありません。会うことすらも難しい人ですからね」


会うことすら難しい人が、果たして私達の書いた手紙を送ってくれるんだろうか・・・?


「いくらか賭けになりますが、賭けに負けても、無駄足以外の損はないので、ダメ元です」

「全然よくわからないんだけど、結局誰に送ってもらうの?」

「四聖騎士団団長、ペリノール氏です」

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