第28話 美女サンドイッチです

コウセツさんとのデェトから少し前。


「それでは定刻ですね。始めましょうか。」


朝10時、私たち7人は会議室に集まりました。

4人の軍団長とバニタス、その助手のミール、そして私。

ヘルセリオとパルティはほぼ国内に常駐していますが、他二人の幹部は久しぶりの来城です。


「お久しぶりですね、北方軍団長リゼルフォルト、西方軍団長ジェイド。お元気そうで何よりです」

「ひさしぶりだねぇソフィア様。そちらもお元気そうで何よりだ」


青白い髪に子供用紳士服をまとう少年、の姿をした最年長者のリゼルは頬杖をついて眠そうにしています。疲れているのでしょうか?


「お久しぶり、とはいえ半年やろ?俺はそんな久しぶりの気もせんけどな」


身長が4mとほかに比べて高いジェイドは腕組姿勢で豪快に笑っています。相も変わらず鎧のような筋肉ですね・・・緑色の肌が輝いて見えるほどです。


「お二人から今日は重大な話があると聞いております。早速ですが内容に入っていただきましょうか。ではリゼルからお願いします」

「あぁ。まずこれは吉報。獣王種の捕獲に成功した。残り二匹だが、一匹はおおよその場所の特定までできた。準備が整い次第捕獲作戦に移ろうと思う」


獣王種。

魔王軍の管轄外にして、いままで管理不可とされていた魔獣。

私が生まれるよりもっと昔から存在していたと言われる伝説の存在。

知能を持ち、莫大な魔力を操る彼らはときに災害として扱われます。

台風や地震のようなもの。極稀にですが突如暴れては地形を変え、人間にも魔族にも多大な被害を及ぼすことで知られています。

しかしあまりの強大さゆえ、人も魔族も今まで放置せざるを得なかった存在です。

とはいえ今の時代、その存在は平和協定を脅かすに十分すぎる存在です。なにせ魔獣ですからね。人側への被害が出れば、その責任は我々魔族に向けられます。


「しかしすごいのはこの魔晶石だよ。獣王種を封じ込めることができるなんてね。ただまぁ、動けなくなるまで弱らせなきゃいけないのはなんとかならないもんかな。あれらとやり合うのはわりときついよ、正直」


リゼルは緑色の拳サイズ丸い魔晶石を机に置きました。

・・・あの中に獣王種が・・・


「贅沢言わないでよリゼルさん。僕たちだってかなり努力して調整したんだ。お金も労力もかなり使っても、閉じ込めるのが限界。今はね」

「わかってるよ。むしろバニタス、お前がこれを造ったおかげで殺さなくてすむわけだしねぇ。しかしあんだけ暴れられると殺したくもなるんだけど」


リゼルはニヤニヤと笑いながら魔晶石を意味もなく転がしています。


「それにしても、あのバケモンを押さえつけるたぁな。リゼルさんもこの玉に捕獲したほうがいいんじゃねぇのかい?十分危険やろ」

「何を言ってるのジェイド。リゼルさんはこんな玉に収まってくれるわけないじゃない、ただでさえいつも落ち着きがないんだから」

「パルティちゃんひどいなぁ。落ち着きがないのは認めるけど、俺だってただの一般的な魔族なんだけどなぁ」


自嘲気味に笑うリゼルの表情はどこか年老いて見えます。風格までは誤魔化せませんね。


「とりあえず『コイツ』は魔王城に保管しといてくれ。持っててもいらないし」

「そうですね。もしも開放されても大変ですし、地下倉庫に厳重に保管しましょう。ところで見つかっているという獣王種はどこにいるんですか?」

「もう一匹も人間界。幸い今は海の底でぐっすり寝てるみたいだけどな。グレゴリア海溝の底でごゆっくりだ」

「そうですか。近隣の安全を第一に優先し、捕獲してください。グレゴリア海溝で暴れられたら大津波は必至、港には人間の小国もあったはずですから、間違いなく流されるでしょうし」


獣王種にかかれば小国が流されるでは済まない可能性もありますしね・・・

そんなことをされては、魔族が国を滅ぼした、戦争だとなりかねません。


「それに関して残念な報告。何故か人間どもがその獣王種を狙ってる。それも反魔王派の連中が、だ。男みたいな短髪の女が部下連れて視察に来てたよ。殺しといたほうが良かったかな?」

「殺さなくていいですが、なにが狙いなんでしょう?視察に来ていただけなんですか?」

「用がある、ってしか聞いてないね。お祈りでもするんじゃない?人間たちの間では神として崇めてるやつも多いみたいだしね」

「反魔王派が視察に来る・・・魔界に対抗するために獣王種を利用しようとしているんでしょうか?」

「どうだろうな。人間ごときが利用できるほど獣王種はかわいくないからねぇ。犬猫じゃないんだから」


そうですよね・・・単純に危機管理だったんでしょうか。人間にとってはどうしようもない災害ですから、細かく研究しているのかもしれませんね。


「警戒はしておく必要はありますね」

「ところでリゼルさん、そいつらとは戦ったんか?」

「いや?戦いに来たわけじゃないとか言ってたからお互い特に手は出さなかったよ。槍はへし折ったけど」

「手ぇ出しとるやんか・・・」

「光り物をちらつかせながら話されるもんだから、誘ってんのかと思ってさ。俺はそういうにはちゃんと応える男だから」


リゼルはキメ顔でそう言いました。


「大事に至らなくてよかったです。でもできる限り人間とは争わないでくださいね。もう何千回か言っていますけども」

「ごめんって、悪かったよ。とりあえず俺からの報告は以上。それよりジェイドの方から結構なお話があるんだろ?」


リゼルはジェイドの方へ視線を向けます。


「俺たち西方軍が押さえた情報では、最近転生者が集まってなんかしようとしとるとのこと」

それは・・・あの、ゼノたちのことでしょうね。


「奴らは『レギオン』と名乗っとる。規模もわからんしまだ核心は何も掴んではおらんけど、転生者が集まる理由なんて一つや」

「私を殺す、ためでしょうね。」

「ただでさえ厄介な連中が集団で攻めてくるなんてのは反魔王軍よりもタチが悪い。今はなぜか息を潜めているようやけど、このままだと確実に魔界の脅威になる。俺は今のうちに潰すべきと思っとる」

「おぉ、骨の有りそうな相手じゃん。そういうの待ってたんだよ、俺が行こう」

「リゼルさんは北方軍の仕事があるやろ。獣王種はあんたくらいやないと相手できん。そういうわけやから・・・」

「となると、『彼』、ですか」

「そうや。転生者の相手はいつもあいつがやっとる。今回もそうすべきやと思う」

「私は、乗り気になれませんね。・・・じつは、私はその『レギオン』と遭遇したんです。つい最近、魔王城から出てヴィークに行ったときに・・・」


リゼルとジェイドの目の色が変わり、刺さるような視線が私に向けられます。


「・・・ソフィアちゃん、あんまり身勝手なことしないでくれる?もしそこで何かあってたら、戦争だよ?戦争に関しては、俺は構わないけど」

「それもそうやけど・・・それより、らしくないやないか。なんでそんなことしたんか?そんな身勝手なこと、今までしたことないやんか?」

「それは・・・」


私はあの時のことと、コウセツさんと話してお父様のことを知ってしまったことを一通り全員に説明することにしました。


~~~~~


「あの馬鹿、全部ばらしちまったんだな。後でボコってやろう」

「まぁいずれバレるんじゃねぇかとは思っとったけどな。みんな、魔王様のことが心配やったんや。とはいえ、黙っててすまんかったなぁ・・・」

「いいんですよその件は。少しずつ受け入れていきますし、考えてみれば当然の対応です。それより今はそのレギオン対策です」

「仲間に引き込むためにレギオンはアイツも狙ってる、か。魔王城来た時からそうだけど、何から何まで扱いに困るなぁアイツ」

「そういうことですので、コウセツさんをレギオン討伐に向かわせたら何かしらの能力で洗脳される可能性があります。敵にまわってしまえば大変です」

「そうか?裏切ったら粉々にしてやるけど」

「ちょ、だ、だめですよリゼルさん!?目が本気ですよ!?」

「しょうがないだろぉ?魔王ソフィア様あっての魔王軍。ソフィアちゃんが狙われるならそれを除去するのが俺らの仕事なんだーけーど?」


くぅ、リゼルさんってこういうところがあるんですよね・・・!私が婚約者だって

知ってるくせに!


「茶化すのはやめてくださいリゼルさん、ソフィア様が困ってるでしょう。彼は、コウセツは、仮にも一人でこの魔王城までたどり着いた強者であり転生者。あの能力も相まって、敵になるのは魔王軍にとっても痛手です。ですよねソフィア様?」

「えぇもちろんです。今は少しでも消耗すべきではありません。彼一人で行かせるというのはあまりに危険です」


さてどうしたものでしょうかね・・・なんとか、できれば行かせないで済む方法を・・・


「先のヴィークで捕まえてきた女性も転生者なのですね?もし彼が天使の制約を壊すことができるなら、その囚人をお供として連れていけばよいのではないですか?」


ここで初めてヘルセリオが口を開きました。

それも最悪な提案です。私にとって、ですが。


「なるほど・・・それもそうやな。治癒の力を無制限に使えるとなると、かなり使えるな」


そうやな、じゃないですよジェイド・・・


「いえ、それはどうでしょう。例の囚人は精神面が不安定で、とてもじゃないですが誰かと一緒に行動できるとは思えませんが・・・」

「それこそ能力で壊してもらえばいいだろ。余計な感情はアイツなら簡単に壊せるんだしな。おぉいいじゃん、その二人に頼もう。そうしよう」


そうしようじゃないですって・・・!男女が二人で旅なんて、駄目ですよ。許しません。風紀の乱れです。

なんとか止めなければ。このままだと本当に二人でレギオン討伐に向かってしまいます。


「・・・二人だと少し物足りないわね。相手は何人いるかもわからないですから、すばやく行動できる者がもう一人いるといいかと思います」


パルティ、貴女は本当にいつも私を支えてくれますね。そうですよ、二人きりでなければ


「でももう一人って言っても、わざわざ転生者を拉致でもするのか?そんな事するぐらいなら二人のほうがいいと思うけど?」

「それに関しては問題ないかと。たしか、倉庫番のディンが元転生者を連れていたとお聞きしております」


ヘルセリオのナイスアシストに救われたかと思いましたが、よくよく考えると少し複雑です。

・・・なんで女性しかいないんですかね・・・


「フィロ、ですか。そういえば魔王城を離れていたジェイドとリゼルは知りませんでしたね。かなり特殊な例ですが、天使の制約から解放された転生者がいるのです。転生した時に得た武器はありませんが。今はディンと二人で倉庫番をしていますが、日々何故かディンと鍛錬にも励んでいますので実力もあります」


まぁ、三人なら、まぁ・・・


「精神を壊す能力者と、精神異常者と、精神異常者と日々をともにする強靭なメンタルの持ち主、ですか。すごいチームですね。僕には耐えられないよ色んな意味で・・・」


バニタスはとても苦い顔をしています。彼は相当ディンを嫌っていますからね、ディンに付き合っていられるフィロも気味が悪いのでしょう。


「いまだにあまり気は乗りませんが、その3人にレギオンの討伐を任せましょう。一応確認しますが、他にいい方法はありませんか?」


・・・残念ながら、満場一致のようです。


~~~~~


「じゃあ最後に、僕からも報告。例の計画、『ホシオトシ計画』が理論上は大方整ってきました。ミール。説明を」


バニタスの隣に座る助手のミールは、慌てたように立ち上がると資料を手に目を泳がせています。あがり症なんですよね、彼女。


「え、えっと、ゴルゴナの南方に広がる異常な磁場の荒野を目標地点に、科学班の新作魔具、『ユートピア』を設置しようと考えます」

「ユートピア、とは?」

「磁力、いや、重力反転の魔具です。これを用いることで、計算上は小規模であれば落した星を支えることができます」


ホシオトシ計画。

北方軍により、人間界に存在する魔獣や魔族の管理が進められていますが、魔界でのそれらの保護には管理するには、土地的に限界が来ます。

そこで魔王軍は、空に浮かぶ星に移り住ませる計画を立てていました。

それがお父様が考えていた移住計画。

近年では資材の運搬等の欠点を考慮し、星までの転移、転送は難しいとされました。

そこで計画はバニタスによって、星を大地ごとこの地に落とす計画に再考されました。

要は、星を落とし、空中に浮かべ、空中大陸を作るという計画です。

それがホシオトシ計画。


「ただ、ユートピア発動には莫大な魔力を必要としますので、まだ未完成です。なにせ大地を支え続けるほどの魔力です、天災を利用するようなものですからね・・・そんな魔力はありません・・・」


ミールはそこまで言って、肩を落とす。

そこでバニタスは、ミールとは違い、目を光らせていました。


「ミール、お前は本当に鈍感だなぁ。・・・幸運なことに、僕はその魔力の供給源は見つけました」


バニタスは立ち上がると、先程リゼルが転がしていた魔晶石を指さします。


「魔王様、ソレを僕に譲ってください。災害と言われた獣王種の魔力、それさえあればホシオトシ計画は完成に大幅に近づくと思われます」


嬉々とした表情で語る姿はいつもクールなバニタスらしくなく、玩具をもらった子供のようです。内容はとても子供らしいとは言えませんが。


「それならこの獣王種は科学班に任せようか。いいよなソフィアちゃん?」

「えぇそうしましょう。頼りにしてますよ、バニタス、ミール」

「期待以上には応えますよ」


本当に頼りになる子ですね。


「さて、それでは皆さん、他に報告事項はありますか?」


各人互いを見合って、総意を示すようにパルティが首を横に振りました。


「それでは、みなさん忙しい中ありがとうございました。これで会議は終わりで

す。今日は各自城でゆっくりして行ってください。」


~~~~~~

会議が終わり、幹部の方々と魔王様が部屋から出てきた。

魔王様はなにやらぼんやりとしていて、フラフラと部屋へと向かう。私はその少し後ろからついていき、部屋の前に来ると、前に出て扉を開けた。

部屋に戻るなり、魔王様は茫然とイスに座っている。どうしたんだろう?なんか落ち込んでるとかじゃなくて、ぼーっとしている。


「どうしたんですか?先程からぼんやりとされて。何か嫌なことでもあったんですか?」


とりあえず、いいことは無かったんだろう。なにか元気が出るものを・・・

予め用意していたカップに魔王様の好きな紅茶を注ぐ。

・・・いつもなら喜んでくれるんだけど、今日はそうでもないなぁ。まだぼーっとしている。


「聞いてくださいメリル」

「なんでしょうか?」

「彼が、旅に出なけらばならなくなりました。倉庫番のフィロと転生者の囚人・・・2人の女性を引連れて。美女サンドイッチです」

「ブフッ!なんですかそれ。どういう状況でそんなことになったんですか??」


美女サンドイッチて。


「転生者が集団で攻めてくる可能性があるので、こちらも転生者でそれらを討伐することになったんです。そしたら、いろいろあってそうなりました」


あぁ、なんだか説明までガサツ。

とにかく彼が旅に出ることと、女性が連れになることが嫌なようね。

・・・かわいい。


「別に、女性がどうとかは関係ないんですよ?ただ、危険な場所に彼が行くのはあまり良しとは言えないですよね」


めちゃくちゃ自分に嘘ついてる。関係なくないくせに。


「そうですか。なら私と彼が2人で旅に出てもいいですね」

「だ、ダメですよ!?何故そうなるんですか?ダメに決まってるじゃないですか」

「私こう見えて結構強いんですよ?大丈夫です。心配はいりませんから!」

「そっちの心配じゃなくて!だって、男女2人っていうのは、ね?貴女や彼でなくても、ね!?とにかくいけません。だめですから!」


すごい慌ててる。メイドの私が彼と旅に出るわけもないのに・・・すごいかわいい。


「冗談ですよ。仮にそんなことがあっても何も起きませんから」

「からかわないでください。ただでさえ落ち込んでいるんですから・・・」


しかし彼との仲が進展していくにつれ、どんどん感情が豊かになりましたねソフィア様。

魔王になったばかりの時、魔王として振舞おうと尽力されていたのが懐かしい。彼に対しても、魔王としてクールに接っするべきと思いながらも、婚約者として素直に真っ直ぐ接したいとジレンマを起こしていたのはいつまでだったかなぁ。


「わがままは言えませんからね。決定したことは論理的に正しいと思いますし、取り消す気はありません。故になんとも・・・あぁぁ・・・」


あからさまに落ち込んでるなぁ。彼のことになるとすぐこうなるんだから・・・

どうしよう。何をしたら喜ぶかな?


「はぁ・・・考えていても仕方が無いですね。気持ちを切り替えましょう。」


はい無理してます。もう私にはモロ分かり。キリッとした顔しても無駄なんだよなぁもう。

ソフィア様はいつも嫌なことがあったり困ったことがあってもこうして切り替えることができる。と本人は思ってる。

私はずっと一緒だから無理してるのなんてわかるけど、彼は鈍感だからどうせわかんないでしょうね。


「時間があるのであれば、彼とどこかに行ってみてはどうですか?しばらく会えなくなるのであれば、今のうちに思い出の一つでも作ったほうがよろしいかと」

「・・・いいんでしょうか。」

「いいでしょう。貴女は魔王様ですよ?たまには好き勝手してはいかがですか?」

「つい最近好き勝手出て行って迷惑をかけてしまいましたし・・・」

「それは一人で誰にも言わずに遠くまで出て行ったからですよ。今回は正式にお出かけデートすればいいんです!今回の作戦を伝るという名目であれば違和感もないでしょうし」

「そ、それです・・・!素晴らしい、名案ですよメリル!」


普段はあれこれ頭が回るくせになぜ彼のことになるとここまで考えが回らなくなるんだろう、これが恋の病なのかな。重病だ。何とかしたいぐらいだけど、どうにもならないだろうなぁ。


「そうと決まれば、お着換えをしましょう。外に出るんですからいつもよりもっとおしゃれしましょう。とはいえ、どこに行きますか?」


本当はあまり城下町を出てほしくないんだけど・・・


「会議室にずっと飾ってある絵に、美しい場所があるんです。クリスタルフォレスト・・・あそこがいいです!」


あ、だめだ、これ完全に城下町出るやつだ。


「そうであればやはり、魔王軍を連れて行くことになりますね。あんなことやそんなことはできないです。残念ながら!」

「あんなことやそんなこと・・・!しませんよ!はしたない!」

「冗談ですよ。さぁ着替えましょう」

「あ、その前にフィロと・・・あの人に今回の旅のことを伝えないとですね。フィロ呼んでください」

「承知いたしました。囚人の方はデート中に私の方から伝えておきます」

「デ!?ちがいます、これは指令を出すために彼を呼び出すだけです!」

「はいはい、そうでしたね。ではフィロを呼んできます」


はぁ、すっかり元気になったみたいだね。私が何をしても無理して切り替えようとするくせに、彼に会えるってだけで簡単に・・・別にいいけどさ。 

そんなことを思いながら、私は地下倉庫へと向かった。

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