第13話 ふぉあぁぁああああアアァ!!!

服が血に濡れて重い。ベタベタするし生臭い。

踏み出すたびにグチョ、グチョと不快な音をたてながら俺は城下町を通って城へ向かった。

周りからの視線が痛いな・・・わざわざ城まで転移するほどじゃないけども。

とりあえず、風呂に入ろう。着替えてゆっくり休もう。

門を通過し庭を通り、扉を開け城内へと進む。

そのまま一階の大浴場へむかっていると、部屋にいるはずの王様がひらひらした服をはためかせながら駆け足で階段を降りてくる。

「よかった・・・!無事・・・ですか?」

ほんと、魔王エンカウント率たけぇっつうの。まったく、一般兵じゃないんだから。

「あぁ無事だよ。今回は何もされてない。」

潰されそうになったりはしたけど、外傷はないからな。

しかしまぁ、靴もズボンもコートも血がたくさんついてて怪我だらけに見えるんだろうな。

「なにがあったんですか?」

「なんもなかったって。・・・どうした?なんでそんな小難しい顔してんだ?」

「あなたこそ、なんて顔をしているんですか・・・そんな辛そうな顔、あなたらしくないというか・・・」

辛そうな顔?おれが?

「えっと、引き留めてすいません。お風呂ですよね?いってらっしゃい。」

「あぁ、行ってくる。」

ふらふらと大浴場へ向かう。

・・・今俺、どんな顔してんだろう?

「あ、あの!」

再び背後から声をかけられる。

「ん?なに?」

「私は、部屋に、いますから・・・その・・・」

「あぁ、わかった。」

なんだろう、魔王の様子がおかしいな。俺が出ている間になんかあったのか?

後で会いに行く時に聞いてみるか。

・・・後で、会いに行く?

何しに行くんだ?部屋にいるってだけで別に呼ばれた訳じゃないけど・・・

まぁいいや。別に行っても損はねぇだろう。後であいつの部屋に行ってみよう。

そう決心し大浴場の方へ向かった。


〜〜〜〜〜


コンコン


風呂を上がって部屋に服を着替えに行った後、俺は予定通り魔王の部屋の前に来ていた。

「どうぞ。」

「お邪魔しまーす。」

相変わらず油断だらけの薄い部屋着だな。まぁしかし20歳にもなるのに胸もあまりないし、身長も低いからパルティほどの動揺は誘えないな。

「今なにか失礼なこと考えてませんか?」

「い、いえ全く全然これっぽっちも考えておりません。」

エスパーかよ。いつの間にそんな魔法を覚えたんだ。

ベッドに腰掛け少しムッとした顔を見せる魔王が足をバタバタしている。前もそうしていたけど、そのバタバタは癖なのか?

「そうですか。・・・とりあえず、座りませんか?」

「おう。」

言われたとおり、俺は昼のオムレツ事件のとき座った丸い机のほうへと向かう。

「ちがいます、こっちです。」

そう言って魔王は自分の隣をポンポンと叩く。

「あぁ、そっちね・・・」

隣に並ぶ形でベッドに腰かける。魔王の金髪が肩に当たるほどの距離・・・布団と同じで甘いいい香りがする。

なんだろう、妙な緊張感が・・・そんなことを考えていると魔王はそのまま俺に体重を預けてきた。

「な・・・!?」

いかん思わず変な声出た。いきなりどうしたんだ!?奇襲か!?

魔王らしからぬ行動にこれはさすがに動揺を隠しきれない。昼のオムレツの時からからおかしいぞこいつ・・・もしや偽物か!?

「あ、すいません!嫌でしたか!?」

魔王はすぐに離れ、先程より距離ができる。

「い、いや別に・・・嫌じゃないけど。どうしたんだ急に?」

明らかに魔王の様子が変だ。進化でもするのかな。

「貴方から精神的な疲労を感じたので、少しぐらい緩和できたらな、と。べ、別に変なことは考えてませんよ?肌が密着すると安らぎを覚えるってきいて、それで・・・」

「精神的な疲労?何のことだ?別におれは・・・」

『そんな辛そうな顔・・・』

そういえばさっきもそんなこと言ってたな。

「さっきの戦いで何かあったんですか?」

「うーん・・・」

俺は城を出てから戻ってくるところまでを簡潔に話した。


~~~~~


「そうですか・・・今回も大変でしたね。」

「いつもに比べたらそうでもねぇ、雑魚だよ雑魚。魔王軍に任せても普通に勝てたんじゃねぇかな。任せねぇけど。」

「別に任せてもいいんですよ?自衛を目的とした魔王軍なんですから、本来は魔王軍の仕事です。」

「それはできないね。毎日せっせと訓練してる兵士でも勝てないような相手が普段は多いからな。あんなやつらの相手は俺だけでいい。」

俺がもし魔王軍のいち兵士で、突然現れたチート能力者に理不尽に殺されたら化けて出るわ。日々の訓練を返せと。

まぁでも転生者は平気でそれをやるんだけどな。

「ところで変なことを聞きますが、なぜエルフと妖精を殺さなかったんですか?」

「あいつらはこの世界に生まれて、普通に生きていただけだ。わざわざお前を殺すためだけに転生させられたアイツらとは違う。お前を狙ってるわけだから本来は殺す対象ではあるんだろうけどさ・・・」

異世界から来た人間はこの世界にとって異物だ。

本来いるべき存在じゃない。でも他はそういう訳じゃないからな。

・・・なんだよまたポカーンとしやがって。

「どうした?なんか今日ぼーっとしてないか?体調悪いのか?」

「あ、いえ、別に・・・。優しいところも、あるんですね。」

「はは、別に優しさや善意でやってる訳じゃねぇよ。転生者以外は狙う対象としてないだけ。でも魔王の脅威を排除する必要はあるから、痛めつけることはあるけどな?」

優しやつだったらこんなやり方しないだろうしな。熱く語り合って、それでもお互いの正義を貫いて、泣く泣く相手を倒すんだろう。たぶん。

「貴方は、残されたエルフを見てどう思いましたか?」

「どうって・・・別にどうも思ってないけど・・・」

「・・・そうですか。」

魔王はそういうと、少し表情を曇らせた。

視線をそらし、なにかを迷っているようにそわそわとしている。なにか言いたげだ。

「生かしちゃまずかったか?」

やっぱ殺しとくべきだったのか?

魔王はハァっと息を吐くと、意を決したようにこちらをまっすぐ見つめた。

「貴方は怒るかもしれませんが、あえて言わせていただきます。貴方は嘘をついています。」

は?なんだいきなり?

「嘘?嘘なんかついてないぞ?殺すにしても生かすにしても、お前に嘘をつく必要なんてないだろ。」

「違います、そこじゃありません。貴方がエルフの話をしたとき、表情が僅かに変わりました。何かを憎むような、そして辛いような・・・それこそ城の入り口で見た時のひどい表情に近いものです。・・・貴方はそのエルフに同情していたんじゃないですか?」

「なんで俺が同情するんだよ。かわいそうってか?」

「そうです。だからこそ殺さなければならない転生者だけを殺し、本人を生かしたんじゃないですか?殺したくないという思いと戦意を失わせるという目的をを両立させるために。」

「・・・」

「なにも思わなかったなんて嘘です。本当は、貴方自身も辛かったんじゃないですか・・・?根拠もないし理由もわかりませんが、なんとなく私にはそう感じました。貴方の眼はそういう眼だと・・・」

「・・・」

「・・・すいません、知ったような口をきいてしまって。でもなぜか、今それを言わないといけないと、貴方に気づかせなければと、そう思ったんです。」


「・・・」


「・・・あの・・・」


「・・・昔な。」

「・・・はい?」

「昔、といってもこの城に来るすこし前のことだけど、俺には仲間がいたんだ。俺とゼノってやつの二人が人間で、もう一人はアルマっていう魔族の3人パーティだった。3人の力はほぼ互角、でも当時の俺は今よりかなり弱かったけどな。そしてある時、とんでもなく強い魔獣に遭遇したんだよ。俺たちは全員瀕死で、俺ももう殺されると思ったんだ。正直いつ死んでもおかしくなんかない、冒険者なんてそんなもんだと思っていた俺でも、死ぬのは嫌だった。怖さだけじゃなく、悔しくて、辛くて、悲しくて・・・。」

話しながら魔力を練り、力を少しだけ解放する。

視界がうっすら赤に染まり、全身に力がみなぎる。

「今生きてるからわかるだろうけど、結局俺はその時死に損なった。ゼノがもう助からないアルマを俺に吸収させて、俺はアルマの力を受け継いだ魔族になったんだ。」

赤く染まった眼を指差しながら、魔王を見つめる。

「俺はアルマの力を手に入れて戦った。・・・それでもゼノを守ることはできなかった。ようやく魔獣の息の根を止めても、俺の中に喜びの感情は一切湧いてこなかった。死の恐怖から解放された・・・なのに俺は恐怖なんかよりも圧倒的に強い思いに押し潰されたんだ。仲間を失って、人間ですらなくなって、絶望した。それからずっと、あそこでアイツらと一緒に死ぬべきだったと何回も後悔したよ。」

魔力を練るのをやめ、赤みのかかった世界がもとの色を取り戻していく。

「エルフの悲鳴を聞いた時、考えないようにしてきた過去がふと頭をよぎったんだ。そしてあの時のトラウマを、俺は他人に植え付けたんだと気づいた。」

「だからあんな悲しそうな顔をしていたんですね・・・」

「たしかにお前の言う通り、さっきの戦いで俺が同情していたのは間違いないだろうな。はは、俺もまだまだだねぇ。」

でもそんなことでいちいち動揺なんかしてたら、続けられねぇんだよな。命のやり取りなんてそんなもんの連続だろうに。

「私は貴方の過去をほとんど知りません。貴方のことも、まだよくわからない。どうしたら貴方を癒してあげられるのかもわかりません。でも・・・」

魔王は眼をそらし、離れていた距離を縮めると、顔を赤くしながら震える手を俺の頭の上に載せた。

あれ、俺いい年して頭撫でられてる・・・?

「こんなのじゃ貴方の心を癒せないことぐらいわかってます。でもなにもしないわけにはいかないんです。貴方をなんとかしてあげたい。傷つく貴方を見るのは、嫌なんです。」

視線や口調で真剣さが伝わってくる。

「貴方はよく、自分が死んでも替わりがいると言います。でも貴方が死んでいなくなるとか以前に、貴方が生きて帰っても傷ついていたり、心を痛めるようなことがあれば、私も悲しいしなぜかとても胸が痛いんです。・・・だから貴方は、そんな私を傷つけないために自分を大切にしてください。これはお願いじゃありません、命令です。魔王からの特命です。」

・・・不思議な感覚だ。

俺はこの転生者狩りを自分の意志でやっているわけで、頼まれることはあっても強要はされていない。

先代の魔王との約束で、俺は今の魔王を守ると誓い、実行してきた。魔王を殺しに来るやつはみんな返り討ちにしてきた。

そしていつしかその行いに報奨金が出ているってだけだったはずだ。

金が欲しかったわけじゃない、地位や名声もいらないしそもそも俺にはその価値もわからない。

ただただ、約束を守るためだけに戦ってきた。命を懸けてきた。守っている対象がどんなやつなのかもいまいちわかっていないまま。

・・・俺は知っている。人間という生き物は傲慢で自分勝手で貪欲だ。今でこそ体は魔族だけど心までは人間から変わることはない。

だからずっと考えていた、俺は何かが欲しくて戦ってるんじゃないかと。そうでもないと、こうして何も得られない戦いを続ける理由なんてない、たかが口約束のために命を削る必要なんてないはずなんだ。

「・・・?ど、どうしました?そんなじっと見つめられても、少し、困ります・・・」

恥ずかしそうに顔を赤らめながら目をそらす魔王だが手だけは頭をなで続けている。

全くもって、不思議な感覚だ。

なぜか心が落ち着く。

何が欲しくていままで戦っていたのか、俺には今もわからない。まぁもしかしたらこのなんでもお見通しの魔王様ならわかっているのかもしれないけど。

ただ、これから戦っていく中で何を求めていくのかは、いま少し理解できた気がする。

「あの、ちょっと?聞いてますか?もしもし?」

でも俺はそれを口には出せない。言葉もなく伝えることなんてできるわけないのに。俺自身がそう言ったのに。

そもそもこの気持を伝えるべきなのかも、俺にはわからない。

だから俺はこの気持を、言葉で伝えないだろうな。

「・・・ちゃんと聞いてるよ。ありがとな。」

俺は魔王の頭を撫で返す。

サラサラでいい香りの綺麗な金髪。とても魔族の王様だとは思えない小さな体に白い肌。

膨大な魔力と力を持って、俺にすらめげずに立ち向かう強い精神と優しさの持ち主。

「やっと、ちゃんと笑ってくれましたね。素敵です。」

そう言って微笑む魔王の顔はおそらく世界で、すべての異世界を含めて最も美しく眩しい。

俺は柄にもなくそんなことを思ってしまった。


〜〜〜〜〜〜


「さてと、ゆっくり休ませてもらったことだしそろそろ俺も帰るわ。」

窓の外は夕暮れ時を表すオレンジ。彼と一時間ほどお菓子を食べたり談笑したのちこの会はお開きとなりました。

まだ、いてくれてもいいんですけどね。

しかし帰ると言うなら止められません。

「じゃあまたな、ソフィア。」

「へ!?は、はい!また、ですよ。」

あまりに唐突に名前を呼ばれて変な返事をしてしまいました。

・・・魔王、じゃないんですね・・・

廊下まで見送り、少しずつ遠ざかる彼の後ろ姿に、心が締め付けられます。

なんでしょう、すごく気持ちが重いのですが。

いつもここにいる時は基本的に一人でいるんですけどね、なぜでしょう。

私も何かしら疲れているのかもしれませんね。

それにしても、やっと彼のことを少し知ることができました。

彼がソロプレイヤーなのには意味があったんですね。以前はひどいことを言ってしまったのかもしれません・・・

しかし、少しでも彼を癒せることに成功したんでしょうか。

物語の中では、男女は抱き合って心が癒えるそうですが、そんなこと私ができるわけありません。それにそこまでするとかえって迷惑でしょう。

物語の彼らは両想いだからソレが可能なのです。私の精神力では、頭を撫でることが限界です。頭を撫でるなんて謎の行動すらかなりの勇気を必要としました。

しかし・・・自分で思っていて変ですが、立場で言うなら私は婚約者なのですから抱きつくぐらいしても問題はないのではないでしょうか?おそらく法には触れないでしょうし、仮に訴えられたとしても立場上問題ないとされるはずです。

まぁいずれにしろ。

私はとうとう彼の笑顔を見ることに成功したのです。

いつも彼がパルティやカーティスらに向けている笑顔ではなく、安堵したような、それも私だけに向けられた笑顔であることが重要です。

ここに来たばかりの昔の彼なら黙って手を払い除けたり、あるいは隣にすら座ってはくれなかったでしょう。


コンコン


突如部屋がノックされます。

おや、この魔力はメリルですね。

「どうぞ。」

「失礼します。・・・あれ、どうしたんですか魔王様?」

「はい?どうもしていませんよ?」

「いや、明らかにニヤニヤしてますよ。何かいいことでもあったんですか?」

「ニヤニヤ!?そんな、ニヤニヤなどしていませんよ!?」

私が、魔王たる私が一人でニヤニヤ!?

先程の妙な落胆に続き、今は一人でニヤニヤ・・・

いけない、これはいよいよハッキリしてきましたね・・・!

「すいませんメリル。私はどうやら疲れているようです。情緒が不安定なのです。」

「え!?どうしたんですか!?」

「大変困っています。急に気持ちが重くなったり今のように無意識にニヤニヤしたりなど。どうしたらいいんでしょう?」

このままだと大切な会議でニヤニヤしたり、笑顔を振りまくべき場でどんよりしてしまうかもしれない。外交問題にまで発展してしまいます・・・!

「ま、まぁ落ち着いて下さい。原因を探りましょう。今日何か変わったことは?」

変わったことですか・・・ないですねぇ・・・

普通に起きて、勉強して、訓練して、ご飯食べて・・・

「わかりません。いつも通りです。」

「そうですか、なら今日を境にってわけじゃないのかもしれませんね。」

「あ、でもさっきまで彼がここにいました。」

「それじぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!」

な、なんですかいきなり大声出して!?

「大丈夫ですか!?メリル、あなたも疲れているんじゃないですか!?」

「いやいやいやいや、ソレが原因でしょう!彼と何があったんですか?まさか、まさか、しちゃったんですか!?」

「しちゃった!?何もしていませんよ!?でも・・・」

あ、でもさきほどの話は、しないほうがいいでしょうね。

私と彼のことですから。わざわざ他の人に話すなんて、せっかく素直になってくれた彼に失礼というものでしょう。

「でも・・・なんですか!顔を赤くして気まずそうにしないで下さい!いかにも事後じゃないですか!」

「何を言っているんです?本当に何もしていませんよ。」

「じゃあなぜそんなに浮かれていらっしゃるのですか?」

「うーん・・・彼が笑ってくれた・・・それだけです?」

おや、なぜか疑問文になってしまいました。

「ふぉあぁぁああああアアァ!!!ソフィア様が、あのソフィア様がここまで乙女に!!恐ろしい男ですね、彼は!」

大丈夫でしょうか、私はメリルのほうが心配になってきました。

「ソフィア様。では真剣にお伺いしますが、彼に会ったらどんな気持ちです?」

難しい質問ですね。どんな気持ち・・・

「それは場合によります。彼がろくに休まずヘラヘラしていたら腹が立ちますし、傷だらけで帰ってくればもちろん心配になります。でも元気そうに散歩してるのに遭遇したら安心しますね。なのでこれといってどんな気持ちかは固定できません。」

私がそう答えるのをうんうんと聞いているメリルは、腕組姿勢で目をカッと開きます。

「ソフィア様、それが、恋です!」

「これが、恋・・・?」

「そうです。今の問に対してソフィア様がかっこいーとか好きーとかそんなことを言っていたら、はいはいなるほどーってなってますけど、その具体的な感情の動き、何だかんだ彼のことしか考えてない言動は間違いありません。恋です!」

なんということでしょう、婚約した後に恋が発覚したというのですか・・・

しかし実感がありませんね。

物語などでは自分の恋心に気付いたヒロインはハッ!となにかに気付いたような仕草をするものです。ハッ!ってなりませんね。

「なるほど・・・参考になる意見をありがとうございます。少し考えてみます。」

「いえいえ、それほどでも!フフフ、それでは私はもう失礼します。夕飯の準備に行かせていただきます!」

メリルは眩しいほどの笑顔を見せると、一礼して慌ただしく部屋を出ていってしまいました。


・・・あれ、あの子何しに来たんでしょう・・・?


「あ、料理長!今日は赤飯にしましょー!!!」

廊下の声が部屋の中まで聞こえていますよ、メリル・・・

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