第十一章「明々後日にまた」

 首を狙ったが、またもや不発に終わった。




理由は簡単だ。

単にまた、雪鬼が華麗に交わしたからだ。




 でも今度は先ほどとは違う事があった。





それは、交わして今度は俺の腹に一発拳をいれたという事だ。



その強烈な痛さを味わい、反省する。



またなんでも行動的に動くわけにはいかないと、後に役立つように胸に刻む。





「だから言ったじゃろう、わらわは殺せないと」







「殺そうとはしていない、少しイラっときたから殴ろう的なノリだ」



「どんなノリじゃ。そんなノリで切りかかるんじゃなか」




「うるせぇ」




 

 乱暴に吐き捨てると、俺はため息をついた。



「で、最初の呪いはどんなのだ」





「それは、明々後日話す。明々後日、ここに来い」



「は?」





「ここに長居しない方がいいと言っておるのじゃ。ここは邪気が漂う。それに、このままじゃと、失踪者あつかいじゃぞ」




「だが、またここに来れる自信はない」



 それは単に、俺が方向音痴というわけではない。




この周辺に住んでいるが、こんな桜見たことがない。


ひょっとすると、ここは俺ら人間が住んでいる世界ではない異世界というものなのかもしれない。


だったら尚更ここには一生辿り着くことはできないだろう。





「それなら大丈夫じゃ。ここはわらわの結界の中。わらわがそれを操れば、お主らはいつでもここに来れるらだろう」





 そうなのか。



俺はまた一つ、ため息をこぼした。



「分かった。じゃあその結界とやらの外に出させてもらうぞ」




「あぁ、忘れておった。結界の外と中とでは時間の進み方が違うのじゃ。ここで1時間過ごすと、外では約8時間経っていることになっておる。それを忘れないことじゃ」





………




 先に言えよ、と文句を言う。



これでは学校を無断欠席してしまったではないか。



それも妹が最も嫌うもの。



学校にはどう連絡すればいいのか考えるだけで、頭が痛くなる。





 まぁ、それは後で考えるとして今日はもう寝よう。



頭を使いすぎた。



また、俺のひざは#嘲笑__あざわら__#うかののように、震えている。


こりゃぁ、足も限界だな。




体力はある方だと思う。



だが、この筋肉の収縮異常だぞ。




それに気分も優れない。



視界も少しぼやけて、目がちかちかする。




あれ、おかしいな……








視界の広さが、だんだんと狭くなる。





淡い薄桜で染まっていた視界が、漆黒の闇に変わっていく。









だめだ。





「莉央………、ごめん……」







俺は無意識に呟き、その後は何も覚えていない。


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