第3話友達の忠告
ミスターJの言う通りなら結構な距離がありそうでした。それでもいつもの友達となら楽しそうです。道すがらミスターJが言います。
「スピーディーRに乗れたらあっという間なのに。こういう時に使えないね。」
「何言ってるんだ。お前たちじゃあ、大き過ぎるだろ。それに俺は自分の為にしか走らないと決めているのさ。ところでミスターJ、今日はずいぶん機嫌が良さそうだな。心は痛まないのかい。」
ミスターJとスピーディーRはいつにも増してテンション高く言い合いをしています。
「ねぇ、ショメル。本当に良かったのかい。きっとお父さんとお母さんは悲しむよ。彼らをずっと苦しめるかもしれない。それでも良いのかい。」
「大丈夫だよ、ビゲストZ。僕はとうに捨てられた様なものなんだ。だからこれで平気なんだよ。」
「でも、ショメル。人生のこんな大切な事を、あっという間に決めては駄目だよ。やっぱり今からでも。」
そこまでビゲストZが言った時、刺すような冷たい目がこちらを睨んでいました。ミスターJとスピーディーRのものです。最初、ショメルはそれらは自分に向けられたものかと思いましたが違ったようでした。ビゲストZに対するもののようです。
「諸君、無駄話は止めるべきだ。これからとても大切な要件が待ち受けているんだからね。私語は控えよう。」
ミスターJは突然、口調を変えて、しかもかなりきつく言いました。そしてそれ以降誰も口を開かなくなりました。
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