終ー3.
まあ――。
俺はたそがれイケメン風に視線を上げた。今日も夕空は綺麗だし、海は広いし橋もデカい。とりあえずしばらくの間は平和な日々を過ごせそうだ。予想外なことが起こるのならそれは予想できないから予想外というのであって、つまり今は考えようもないんだから考えても仕方がない。
それなら今何をするべきかと言えば、今できることをするべきなんだ。それはつまり、家に帰ってゆっくりすること。ああ、今日は久しぶりに何の気兼ねもなく寝れそうだぜ。
俺はいつもの通学路に歩を刻む。
いつの間にかツーはいないけれど、明日にはまた現れるだろう。
そしてまた消えるんだ。それが自転車の妖精。自転車の楽しさを伝えるためにこの世界にやってきた妖精。それがツーで、それが俺がこの道を共にしてきた謎の美少女の正体だ。
自転車は楽しい、かぁ。
帰りの道中、俺はずっと頭を巡らせていた。
自転車って一体、何がそんなに面白いんだろう?
自転車女子列伝 ~荒川輪子は自転車を愛する~ 江戸ミヅキ @RinRin-bicycle
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