第2話 勇者、王に謁見して憎しみを覚える。
「勇者タケルよ。前に」
王の謁見の間にて呼び出された勇者タケルは王に跪き、魔王討伐が完遂したことを報告に上がった。
王はその知らせを聞き、大いに喜びを見せた。
「でかした勇者よ。汝に望みのままの褒美を与えよう」
「では俺に姫をお譲り下さいませ。それが俺の全霊を持っての願いであります」
その言葉に謁見の間は凍り付いた。
王は如実に怒りを見せ、大声で罵倒をした。
「おう、汝は予から命の次に大事な姫を寄こせというか。なんたる無礼者か。随分と偉くなったものだな。ええ。おまえごとき平民が予と話してることさえ奇跡というのにその奇跡をに輪をかけてこの恥知らずの知れず者めがどの口開いてそのような戯けた事が言えるとは全くもって腹立だしい」
勇者タケルはその言葉に苦笑を浮かべた。
「この程度がこの国の王様か。全くふざけた世界だな。道理で神も異世界にまで人助けを求めるわけだ。今さっき口に出した条件すら通す気がないとはな。頂点まで腐りきってるとはまさにこのことだ」
その勇者タケルの言葉に謁見の間の騎士達は剣を勇者タケルに向けた。
「おっと、いいのかそれで。俺は魔王を討伐するぐらい強いのだぞ。てめえ等みたいな三下に勝てる道理が本当にあるとでも? チャンチャラおかしいわ」
騎士達はその言葉に完全に怒りを覚えて勇者タケルに斬りかかった。
「やれ。ミノタウロスおまえならこいつ等ぐらい一捻りだろ」
勇者タケルの影から現れた牛の顔を持つ巨体の男はまさかりを振り回して騎士達を一蹴した。
「おまえ、どこからそれを呼び出した」
「おっと、知りませんでしたか。私が異世界から渡ったときにえた能力を。これはですね」
勇者タケルは宙を捻り景気のいい音と共に大量の魔物達が影から姿を現した。
「ガチャです」
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